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米国の家計が抱える負債が上昇基調に、サブプライムローン問題ふたたび?

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2019/09/03 12:00

 米国の家計における負債残高が過去最大の13.86兆米ドルに拡大。新たな金融危機の火種になるのか? その中身を検証してみましょう。

米国の家計負債の状況を確認

 米国の家計が抱える負債が上昇基調にあります。低金利のもとで家計にとっても安い調達コストで借りられることが要因だとは思いますが、負債の増加は利払い負担の増加にもつながります。

 現在のように好景気で、安定して収入が増えている状況であれば大きな問題にはなりませんが、不景気になり職を失ったり、収入が減少するようなことになれば、利払い負担で家計が圧迫されたり、最悪のケースでは債務不履行が頻発し、再び金融危機を巻き起こす可能性もあるかもしれません。

 ニューヨーク連銀が8月13日に公表した2019年第2四半期の米国の家計における負債残高は13.86兆米ドルとなり、データを取得できる2003年以降で過去最大の負債残高を記録した前2019年第1四半期を上回りました。個別に見てみると、モーゲージローン(9.4兆米ドル)、自動車ローン(1.3兆米ドル)が2003年以降で最大となりました(図1)。

 内訳のうち最も残高が大きいのはモーゲージローン。いわゆる不動産関連のローンが過去最高を記録したことは、一部で衝撃をもって受け止められました。不動産関連のローンと聞いて「サブプライムローン問題」を思い出された方も多いのではないでしょうか。

 2008年のリーマンショックにつながるサブプライムローン問題は、当時、不動産価格の上昇を前提として不動産ローンが積みあがったことがその大きな原因となっていました。その後、不動産市況の悪化でローンが焦げ付き、ローンを返済できなくなった人の不動産は差し押さえられ、差し押さえられた不動産が売りに出されてさらに不動産市況が悪化するというものでした。

 米国の不動産市況はいまだ好調を維持していますが、リーマンショック前の水準を上回る不動産ローンが積みあがった今、不動産市況が悪化に転じた際には前回以上の問題を引き起こす可能性をはらんでいるとも言えるかもしれません。


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著者プロフィール

  • 多田 幸大(タダ コウダイ)

    eワラント証券株式会社 投資情報室長

    一橋大学法学部卒業。事業会社で法人営業に従事した後、2016年にeワラント証券に入社。
    投資初心者にもわかりやすくをモットーにレポート執筆やセミナー講演を行っている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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