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NTT、データを暗号化したままディープラーニングの学習ができる秘密計算を実現

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2019/09/05 09:00

 NTTは、データを暗号化したまま、標準的なディープラーニングの学習処理を行う技術を開発した。

 データを利活用するためには、通信時や保管時に暗号化していたとしても、処理を行う際には元データに戻して処理する必要がある。

 NTTは9月2日、データを暗号化したまま一度も元データに戻さずに、ソフトマックス関数(主にクラス分類などで、ディープラーニングの出力層において計算される関数)やAdam (adaptive moment estimation、学習でパラメータを更新する最適化処理のひとつ)と呼ばれる最適化処理を含む標準的なディープラーニングの学習処理を行う技術を、世界で初めて実現した。

秘密計算がないディープラーニングシステム
秘密計算がないディープラーニングシステム

 今回開発した技術を用いることで、企業秘密や個人のプライバシーにかかわるデータをディープラーニングで活用する際に、サーバではデータを暗号化したまま一度も元データに戻さずに処理することが可能となる。これによって、ディープラーニングでのデータ活用に必要な (1)データ提供、(2)データの保管、(3)学習処理、(4)予測処理のすべてのステップを暗号化した状態で行うことができる。

秘密計算を導入するメリット

秘密計算を導入するメリット

 NTTが取り組む秘密計算技術は、ISO国際標準(3ISO/IEC 19592-2 Information technology-Security techniques-Secret sharing-Part 2:Fundamental mechanisms)に従った方法で暗号化されたデータを、一度も元データに戻さずに分析を行う。

 利用シーンとしては、個人の位置情報やスケジュールを暗号化したまま、天気や企業のイベント情報などとあわせて学習することで、最適な飲食店の仕入れや人員リソースの配備を予測することなどが考えられる。また、さらにこの技術を応用すれば、レントゲン写真、MRI、CTスキャン、顕微鏡写真などの医療データを秘匿しつつ学習し、検査結果に悪性腫瘍があるかなどを高速かつ精度よく判定することが可能になると期待される。

 NTTは今後、AIの知見を持つパートナーと連携して実証実験などを行い、秘密計算を使ったディープラーニングの効果を実証していく。

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