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世界のフィンテック投資、2019年上半期は大型案件がなく前年同期比29%減

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2019/10/11 09:00

Ant Financialのような大型案件がなかった2019年上半期

 アクセンチュアは8月14日、世界のフィンテック投資についての調査結果を発表した。発表によると、2019年1月1日から6月30日までの6か月間のグローバルにおけるフィンテック投資総額は220億ドルで、前年同期の312億ドルに比べて29%減と大幅に減少した。

 これは2018年5月に過去最高額となる140億ドルもの資金を調達したAnt Financialのような大型案件が見られなかったことによるもので、この案件を除くと、2019年上半期の投資総額は昨年同期比28%増となる。

グローバルのフィンテック投資活動のうち「投資額」の推移(単位:100万ドル)。Ant Financialの案件を除くと、投資総額は28%増となった ※

グローバルのフィンテック投資活動のうち「投資額」の推移(単位:100万ドル)。
Ant Financialの案件を除くと、投資総額は28%増となった ※

 米国における2019年上半期の投資額は、前年同期比60%増の127億ドル。案件数は2018年の563件とほぼ同じ564件であったことから、案件が大型化している傾向にあると言える。投資総額のうち、融資業務を手掛けるスタートアップ企業に対する投資が29%と最も多く、次いで決済の25%となっている。最大の案件は、消費者金融を手掛ける「Figure Technologies」が5月にクレジットライン(信用供与枠)により調達した10億ドル。

 2019年上半期の英国では、引き続きチャレンジャーバンクや決済を手掛ける企業が投資家の関心を集め、フィンテックの投資額は約26億ドルと前年同期から2倍近く増加して、投資案件数も25%増の263件となった。チャレンジャーバンク「Monzo」は6月に1億4,400万ドル、「Starling Bank」は2月に2件の異なる案件で2億1,100万ドル、送金サービスを手掛けるスタートアップ企業「TransferWise」は5月に2億9,200万ドル、「ワールドレミット(WorldRemit)」は6月に1億7,500万ドルを調達している。

 2019年上半期はアジア太平洋地域でもフィンテック投資が大幅に伸びており、シンガポールの投資総額は前年同期から4倍近く増加して4億5,300万ドル、オーストラリアでも3倍以上増加して4億100万ドルとなっている。

 フィンテック投資総額を事業領域別に見ると、決済を手掛けるスタートアップ企業に対する投資が28%、融資が25%と大きな割合を占めており、インシュテック企業は14%を占めている。

案件数は前年同期比2%増

 2019年1月1日から6月30日までの6か月間のグローバルにおけるフィンテック投資の案件数は1,561件で、前年同期の1,526件を35件上回り、2%増となった。

グローバルのフィンテック投資活動のうち「案件数」の推移。案件数は2018年上半期に比べて2%増となった ※

グローバルのフィンテック投資活動のうち「案件数」の推移。
案件数は2018年上半期に比べて2%増となった ※

 案件数は、英国で大幅に増加している一方、米国では横ばい、中国では49%減、インドでは21%減と大幅に落ち込んでいる。しかし、こうした落ち込みはアジアをはじめとするほかの地域での伸びによって相殺されている。

 アジアではシンガポールが55%増、日本が33%増となっているほか、欧州ではスウェーデンで前年同期から案件数が2倍近く増加して40件となり、ドイツでも27%増の56件となっている。

投資は間もなく停滞期に?

 英国を筆頭に欧州では新たなサービスの提案を行うフィンテック企業に対する関心や需要が高まっており、大幅な投資増につながっている。資金調達でも、チャレンジャーバンクの規模拡大やフィンテック間連携の支援に移行しつつある。

 また、投資家は持続的な利益にもとづいてリターンを求める投資サイクルが終わりつつある中、この傾向は断続的な投資の増加につながるだろうとアクセンチュアは分析している。しかし、問題はそうした傾向がどれだけ続くのかであり、投資は間もなく停滞期に入ると見られ、その後は落ち込んでいくことが予想されるとしている。

※免責事項:アクセンチュア・リサーチはFinTech Watchtowerの過去のすべてのリリースについて、関連性に応じてCB Insightsのデータベースから案件を追加/削除する等、過去のパフォーマンスの見直しを行っているため、新たなリリースに含まれる過去の数字が変更されている場合がある。出典:アクセンチュアによるCB Insightsデータの分析

【調査概要】
この調査は、グローバルでベンチャー企業の財務データ収集・分析業務を行う調査会社「CB Insights」が提供するフィンテック投資データに基づいてアクセンチュアが分析を加えたもの。

この調査では、フィンテック企業を、銀行業務やコーポレートファイナンス、キャピタルマーケット、財務データ分析、保険、決済や個人向けの財務管理などに関して様々なテクノロジーを提供する企業と定義している。

分析対象は、ベンチャーキャピタルおよび未上場企業、株式会社および企業のベンチャーキャピタル部門、ヘッジファンド、アクセラレーター、政府系ファンドなどにおける国際的な投資活動。対象データは、2010年から2019年上半期までのもので、エクイティおよび非エクイティの融資が含まれる。

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