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“我が世の春”の鉄道6社、利益はJR東海がピカイチ、私鉄2社は不動産業へシフト

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 北陸新幹線の車両が水没した台風被害の映像に衝撃を受けた人は多かったはず。新幹線を運行するJR4社、それに売上高が1兆円超の私鉄2社、近鉄グループホールディングスと東急のビジネスや従業員給料に迫ってみた!

インバウンドで鉄道会社は“我が世の春”

 10月に上陸した台風19号の直撃を受けて長野・千曲川の堤防が決壊。JR東日本(9020)の長野新幹線車両センターと北陸新幹線車両も水没した。

 長野新幹線車両センターの土地(16.5万平方メートル)は、国土交通省所管の独立行政法人からの賃借だが、浸水被害を受けた車両は廃車を余儀なくされるなど被害は甚大。車両の損害だけでJR東日本は118億円、JR西日本(9021)は約30億円の損失を計上するようだ。「車両については保険でまかなわれる額は極めて少額」というのが、JR東日本の説明である。

 大雨や地震による被害が毎年のように発生。計画運休にともなう減収も避けられないようになってきた。ただし、上場しているJR各社や大手私鉄の経営は順調に推移。インバウンド需要も加わり“我が世の春”状態といっても過言ではないほどだ。

 流通や不動産、ホテルをはじめ鉄道以外の事業を拡大するなど、好調な業績を背景に将来に備えた布石を打つ動きも活発化。JR東日本は来春、山手線に新駅「高輪ゲートウェイ駅」をオープンするとともに、駅周辺を大規模開発し、2024年までにはホテル・マンション、オフィスビルなどを開業する。東急(9005)は不動産を中心とする事業持株会社に移行し、鉄道事業の東急電鉄を分社・子会社化した。同社は仙台空港の運営を手がけているが、北海道内7空港についても運営に携わる予定だ。

2020年春にオープンする「高輪ゲートウェイ駅」の駅舎内イメージ図
2020年春にオープンする「高輪ゲートウェイ駅」の駅舎内イメージ図

 将来的には沿線人口の減少が避けられないだけに、営業エリア外への進出も目立つ。三菱重工業(7011)の不動産事業を買収しているJR西日本は、首都圏や名古屋でマンション・ホテルの開発に着手。JR九州(9142)は沖縄や東京でホテルを運営する。

 海外展開の本格化も視野に入ってきた。JR東日本は三井物産(8031)などと共同で、英国での鉄道運営事業に参入。2021年には台湾にホテルを開業する。JR東海(9022)は米国における新幹線採用に向けた動きを本格化。東急はベトナムや豪州などで商業施設や住宅開発を推進。私鉄で最も長い路線網(営業キロ数)を持つ近鉄グループホールディングス(GHD/9041)も、ベトナムにおける分譲住宅開発事業に参画した。

 JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州、近鉄GHD、東急はそろって、20年3月期決算について増収予想である。


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