MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

富裕層ならひとつは持っている「資産管理会社」とは? 生前贈与のポイントをチェック!

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019/12/23 12:00

 数億円の資産を持つ富裕層が、相続対策で活用しているのが「資産管理会社」。今回は富裕層の間でポピュラーな資産運用会社の活用法を解説します。 

「資産管理会社」とは?

 はじめまして。株式会社ウェルス・パートナー代表取締役の世古口です。プライベートバンカーとして顧客の資産運用や相続のサポートをしてきた経験を活かして、多くの方に知ってほしい相続についての基礎知識を解説したいと思います。

 前回は富裕層の相続の課題を説明し、富裕層の相続対策としてポピュラーな不動産を活用した相続対策を説明しました。今回はもうひとつの相続対策として、「資産管理会社」の活用を紹介したいと思います。

 「資産管理会社ってなんだろう?」と思った方のために、少し説明しておきましょう。資産会社は、会社法にもとづく普通の株式会社や合同会社です。誰でも設立可能で、株式会社の場合は30万円程度、合同会社なら15万円程度の費用で、1か月ほどあれば設立することができます。

 保有資産が数億円以上の富裕層であれば、多くの場合、資産管理会社をひとつは保有しています。なぜ、富裕層は資産管理会社を相続対策に活用するのでしょうか。

 それは、資産管理会社の株式を贈与することで、より円滑な資産承継が可能だからです。

贈与税は、相続税よりも負担が重い

 日本では、相続の際には相続税がかかり、贈与の場合は贈与税の負担があります。まず、日本の贈与税について確認しておきましょう。以下の表は、贈与金額(基礎控除後の課税価格)、税率、控除額をまとめたものです。

 この税率表を見るとわかるように、最高税率である55%になるのは、贈与額が3,000万円を超える場合です。一方、​相続税の場合、最高税率55%になるのは相続財産6億円超の場合です。

 最高税率はどちらも55%ですが、贈与税率は相続税率より最高税率に達する金額が低い。つまり、全体的に相続税より贈与税のほうが、課税対象額に対して税率が高いと言えます。

 また贈与税は相続税と同じように基礎控除があり、その金額は110万円です。なので、年間110万円の範囲内の贈与なら贈与税はかかりません。110万円を超えた場合は贈与金額から基礎控除の110万円を引いた金額が課税対象となります。

 一方、相続税の基礎控除額の計算式は、3,000万円+(法定相続人×600万円)になります。つまり、全体的な税率は相続税よりも贈与税のほうが高く、また基礎控除の対象となる金額も贈与税より相続税のほうが高いのです。

 では、なぜ生前に贈与をすることが「円滑」な贈与につながるのでしょうか。

 それはひとえに、資産管理会社に不動産という資産を持たせることで、その資産管理会社の株式の相続税評価を下げて、子供にその株式を贈与することができるからです。

 これは、前回の記事の「不動産は相続税評価を下げることができる」という特性と、今回の「資産管理会社の仕組み」を組み合わせた手法になります。以降で、このしくみを詳しく説明します。


  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 世古口 俊介(セコグチ シュンスケ)

    世古口俊介
    株式会社ウェルス・パートナー代表取締役

    1982年10月生まれ。大学卒業後、2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(兼クレディ・スイス証券)のプライベート・バンキング本部の立ち上げに参画し、プライベートバンカーとして同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。富裕層や事業オーナー向けに資産配分と資産運用設計の最適化コンサルティングを提案。

     

    ウェルス・パートナー ホームページ
    https://wealth-partner-re.com/

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5