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後継者難倒産が過去最高の見込み、「事業を任せられる人がいない」18.1%

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2019/12/07 12:00

 中小企業の事業承継が課題になる中、2019年に発生した後継者難倒産が高水準で推移しており、過去最高を更新する可能性がありそうだ。

 帝国データバンクが10月に公表した「後継者難倒産の動向調査(2019年1~9月累計)」の結果によると、今年の1月から9月にかけて発生した後継者難倒産は325件で、前年同期を12.8%上回り、2年連続で増加した。2013年の調査開始以来、年間で最も多かったのは2013年の411件で、9月までの累計では2013年を上回っており、過去最高を更新する可能性がある。

 後継者難倒産企業の負債規模別件数(2019年1月~9月累計)は、負債「1億円未満」が228件で前年同期比15.7%増加し、構成比は約7割を占めた。そのほかは、「1~5億円未満」が89件、「5~10億円未満」が5件、「10億円以上」が3件だった。

 同社によると、経営者個人に経営ノウハウや取引先、人脈などを大きく依存する小規模企業では、経営者の突然の体調不良や死亡などを機に業績不振に陥り、倒産に追い込まれるケースが目立つという。また、後継者不在で廃業を予定していたものの、資産売却によっても債務を整理できず、円滑な廃業を選択できなくなった企業の倒産も散見されるようだ。

 一方、エヌエヌ生命保険株式会社は「事業承継に関する調査」を実施し、その結果を11月21日に発表した。調査時期は9月26日から10月1日。

 全国の中小企業経営者(従業員2名以上300名未満の会社の社長・会長/20~79歳)500名に突然の事業承継が起きた時のことについて聞くと、「しっかりと考えている」が22.8%、「ぼんやりとだが考えている」が39.2%、「あまり考えていない」が26.4%、「全く考えていない」が11.6%で、事業承継について考えている経営者が過半数を占めた。

 年齢別では、「しっかりと考えている」と回答した経営者の割合が60代で30.8%、70代で37.5%など、年齢が高くなるほど多くなった。しかし、「考えていない(あまり考えていないを含む)」と回答した経営者は60代で35.5%、70代で16.7%おり、事業承継に課題がある企業も多かった。

 事業承継について多少なりとも考えている経営者442名に事業承継をさせたいと考えている相手を聞くと、「親族である取締役・役員」が29.9%で最も高く、「親族でない取締役・役員」が18.1%、「親族でない従業員(取締役・役員以外)」が8.6%で続いた。その一方で、「任せられるものはいない」が18.1%で比較的多かった。

 事業承継を親族にさせたいと回答した経営者177名に承継先を具体的に聞くと、「息子・娘」が35.6%で最も高く、「配偶者」が31.6%、「兄弟姉妹」が14.7%で続き、親族であっても血のつながりのない「義理の息子・義理の娘」は3.4%と低かった。

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