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企業業績はリーマン前の水準に回復も、2020年の景気見通しは「悪化」が大幅増

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2019/12/28 11:00

 東京商工リサーチは12月13日、「リーマン・ショック後の企業業績調査」の結果を発表した。調査では同社が保有する企業データベース(約480万社)のうち、リーマン・ショック前の2007年度(2007年4月期~2008年3月期)から直近の2018年度(2018年4月期~2019年3月期)まで、12期連続で業績比較が可能な24万2,832社を分析した。

 リーマン・ショック直前の2007年度を100.0とすると、全企業の売上高合計は2009年度に84.4まで下落し、その後は100.0を下回っていたが、2018年度に101.1へ回復し、初めてリーマン・ショック前の水準に戻した。利益合計は2008年度に17.1まで極度に落ち込んだものの、2013年度に100.0を回復し、2018年度は164.7まで伸ばした。

 上場・非上場別に見ると、上場企業の売上高合計は2018年度が96.5で2017年度の95.1から伸ばしたものの、リーマン・ショック前を下回っている。利益合計は2018年度が171.1で、2017年度の168.6を上回った。

 上場企業をさらに産業別で見ると、2018年度の売上高合計は、10産業中、製造業、卸売業、運輸業を除く7産業で100.0以上となった。単体ベースで集計しているため、海外現地法人などの企業グループ連結を反映していない可能性もあるが、製造業、卸売業、運輸業の3業種は2008年度以降、一度もリーマン・ショック前の水準を回復していない。利益合計は、2018年度は全業種で100.0を回復し、中でも建設業は2017年度の700.4から低下したものの2018年度は577.8となり、他の産業を大きく上回った。

 非上場企業の売上高合計は2017年度に100.0を上回り、2018年度は103.9まで上昇したものの、利益合計は2018年度が157.6で2017年度の162.6から低下した。非上場企業を産業別に見ると、2018年度の売上高合計は10産業のうち、農・林・漁・鉱業、小売業を除く8産業で100.0を回復し、最も回復したのは、ネット通販の拡大に加え、大手を中心に人手不足で請負単価の引き上げに動いた運輸業の117.7だった。利益合計は、2018年度は、小売業を除く9産業で100.0を回復し、最も回復したのは建設業の457.1だった。

 一方、帝国データバンクは12月12日、「2020年の景気見通しに対する企業の意識調査」の結果を発表した。調査対象は全国の企業2万3,678社で、有効回答企業数は1万46社。調査期間は11月18日から30日。

 2019年の景気動向を聞くと、「踊り場」は47.1%で半数近くなる一方、「悪化」は31.2%で、2018年11月に実施した前回調査から14.0ポイント増加し、7年ぶりに3割台となった。「回復」は3.7%で、2年連続で1ケタ台となった。

 続いて、2020年の景気見通しを聞くと、「回復」を見込む企業は6.8%、「踊り場」を見込む企業は32.8%、「悪化」を見込む企業は37.2%だった。「悪化」については2年連続で増加しており、過去3番目に高い水準となった。2020年の景気への懸念材料(3つまで複数回答)を聞くと「人手不足」が46.2%で最も高く、以下、「中国経済」(34.8%)、「原油・素材価格(上昇)」(24.9%)、「米国経済」(22.8%)、「消費税制」(22.1%)が続いた。

 リーマン・ショックから回復していた企業業績は2018年度にピークに達した可能性があり、2020年は人出不足や中国経済などを懸念して、悪化を予想する企業が増加しているようだ。

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