MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

飲食業の売上は5年連続で増加も、倒産件数は過去30年間で2番目の高水準

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020/02/08 13:00

 ファーストフードが好調な飲食業は売上が拡大しているが、パブレストラン・居酒屋は11年連続して前年割れ。人手不足の影響を受けやすいこの飲食業では、倒産件数も増加している。

 日本フードサービス協会は1月27日、「2019年の外食産業市場動向調査」の結果を発表した。2019年(1月~12月)の外食需要は、7月の長雨や10月の台風19号による被害、消費税率引き上げの影響で前年を下回る月があったものの、全体の売上は前年比1.9%増加し、5年連続で前年を上回った。客数は同0.2%増、客単価は同1.7%増で、それぞれ前年を上回った。

 業態別の売上は、「ファーストフード」が前年比3.4%増となり、全体をけん引する形で好調に推移し、4年連続で前年を上回った。また、「ファミリーレストラン」は同0.3%増、「ディナーレストラン」は同1.5%増、「喫茶」は同2.6%増でそれぞれ8年連続して前年を上回った。他方、「パブレストラン・居酒屋」は同1.1%減で、11年連続して前年を下回った。

 四半期別の売上動向は、台風被害や消費税率引き上げなどの影響を受けた第4四半期(10月~12月)が前年同期比0.4%増で、伸び率が最も低くなったものの、それ以外の期ではおおむね同2%増台で推移した。業態別では、「ファーストフード」「ディナーレストラン」「喫茶」はすべての期で売上が前年を上回り、「パブレストラン・居酒屋」は、第1四半期(1月~3月)は前年を超えたものの、第4四半期には大きく前年を下回った。

 一方、東京商工リサーチが1月14日に発表した「2019年 飲食業倒産動向調査」の結果によると、2019年(1月~12月)に発生した飲食業倒産件数は前年比7.9%増の799件で、2年ぶりに前年を上回った。1990年以降の30年間では、2011年の800件に次いで2番目の多さとなる。

 業態別では「食堂・レストラン」が227件(前年187件)、「専門料理店」が192件(同176件)、「酒場・ビヤホール」が137件(同131件)、「喫茶店」が63件(同54件)など、各業態で増加した。

 負債総額は503億8,700万円で、前年の345億3,000万円を大きく上回り、2年ぶりに前年を上回った。負債総額の内訳は、「負債10億円以上」が5件(前年4件)、「負債5億円以上10億円未満」が10件(同2件)など、大型の倒産が増加。一方で、「負債1億円未満」は725件(同676件)で全体の90.7%を占め、この30年間では1999年の464億5,900万円に次ぐ11番目の低水準にとどまった。

 倒産の原因別では「販売不振」が667件で最も多く、「事業上の失敗」の38件と「既往のシワ寄せ(赤字累積)」の28件などが続いた。従業員数別では「5人未満」の703件が最も多く、「5人以上10人未満」の55件を合わせ、「10人未満」が全体の94.8%を占めた。

 同レポートによると、労働集約型の飲食業では慢性的な人手不足に加え、同業者との競合で業績不振から抜け出せないケースが多いという。また、甘い事業計画のままの創業も目立ち、後継者難の老舗とあわせ、業歴の浅い企業の倒産も少なくないと指摘している。

 飲食業全体の売上高は拡大傾向にあるものの、同業者との競争で厳しい事業環境に置かれている事業者も多いようだ。

【関連記事】
外食産業、2019年はファストフード業態がけん引、増税・ラグビーW杯はどう影響した?
トリドール、外食専門の米ファンドと資本提携、世界6000店舗体制へ向けて加速
飲食店の倒産、休廃業・解散は2000年以降で最多、「中華・東洋料理」は前年度比34.9%増

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク


All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5