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国内景気は悪化、都内中小企業は改善が鈍化、新型肺炎による生産停滞や暖冬が追い打ち

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2020/02/15 13:00

 記録的暖冬に加え、これから感染拡大が懸念される新型肺炎による経済への影響などから、国内の景況感停滞はしばらく継続しそうだ。

 帝国データバンクは全国の企業2万3,665社を対象に、1月20日から31日にかけて「TDB景気動向調査(全国)2020年1月調査」を実施し、その結果を2月5日に発表した。有効回答社数は1万405社。

 1月の景気DIは前月比0.6ポイント減の41.9となり、4か月連続で悪化した。DIは企業に「非常に良い(6点)」から「非常に悪い(0点)」の7段階で判断をしてもらい、所定の計算式で景気DI値を算出する。景気DIは50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。

 1月の国内景気は記録的な暖冬で季節需要や農業の落ち込みが響いたほか、海外経済の減速にともなう製造業の低迷が関連業種へと波及した。中でも、中国発の新型肺炎が春節時期に拡大し、旅館・ホテルや輸出・生産関連などに影響が現れた。

 業界別では、10業界中「農・林・水産」「建設」「製造」「卸売」「運輸・倉庫」の5業界が悪化、「金融」「不動産」「小売」「サービス」「その他」の5業界が改善した。中でも、「製造」のDIは前月から1.0ポイント減少して37.6となり、11年2カ月ぶりに9か月連続で悪化した。

 日米貿易協定が1月1日に発効されて海外から安価な輸入物が増加し、競争が激化しているとの声が企業からあった。また、自動車部品の米中向け輸出量の減少基調が継続し、「輸送用機械・器具製造」が同1.5ポイント減など状況は悪化している。

 他方、「サービス」は同0.7ポイント増加して49.5となり、4か月ぶりに改善した。「旅館・ホテル」は少雪でスキー需要が低迷し、さらに新型肺炎の影響が春節休暇中の訪日中国人旅行客におよび悪化した。しかし、「広告関連」が東京五輪開催へ向けた広告需要の高まりで改善したほか、「娯楽サービス」は気温が高く営業を継続するゴルフ場や、健康志向の高まりでフィットネスクラブの景況感が改善し、全体では改善している。

 一方、東京都が1月23日に発表した「東京都中小企業の景況(令和2年1月調査)」によると、業況が「良い」とした企業割合から「悪い」とした企業割合を差し引いた、2019年12月の都内中小企業の業況DIはマイナス35だった。前月のDIはマイナス36で、景況はやや改善したものの、改善の動きは鈍化した。

 業種区分別の業況DIは、製造業では「衣料・身の回り品」がマイナス30で16ポイント改善、「電気機器」がマイナス6で12ポイント改善した。しかし、「紙・印刷」がマイナス38で8ポイント悪化、「材料・部品」がマイナス42で6ポイント悪化するなど苦戦し、全体はマイナス31だった。卸売業は「食料品」がマイナス33で7ポイント改善、「建築・住宅関連」がマイナス32で6ポイント改善する一方、「衣料・身の回り品」がマイナス58で11ポイント悪化し、全体はマイナス38となった。また、小売業はマイナス51で前月のマイナス52からほぼ横ばい、サービス業はマイナス23で前月のマイナス25からわずかに改善した。

 国内の景況感が停滞する中、新型肺炎の拡大が経済に与える影響も懸念されている。今後の景況感の動向に注目が集まる。

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