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「チャイナリスク」の中身に変化、今後は新型コロナの影響も

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2020/02/22 13:00

 新型コロナウイルス感染症は昨年12月、中国湖北省武漢市において確認されてから、中国を中心に感染が国際的に広がりを見せており、1月30日には世界保健機関(WHO)が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 日本では新型コロナウイルス感染症が「指定感染症」に指定され、2月1日からは上陸の申請日前14日以内に湖北省に滞在歴がある外国人等について、特段の事情がない限り上陸拒否の措置を講じた。さらに、2月13日からは水際対策として、感染者が多数に上っている地域から来訪する外国人や、感染症の発生のおそれがある旅客船に乗船する外国人に対し、上陸拒否を行うことのできる措置を講じている。

 懸念される経済への対策として政府は、業況悪化に見舞われている観光業などの中小企業・小規模事業者に対し、経営を安定させるために必要な資金繰り支援を行うことを決めた。日本政策金融公庫等に新型コロナウイルス感染症対策のための緊急貸付や保証枠として5,000億円を確保する。また、令和元年度補正予算で措置された中小企業生産性革命推進事業等において、感染症の影響を受けてサプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資や販路開拓などに取り組む事業者に対し、優先的に支援することなどを決めた。

 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に合わせ、チャイナリスクが顕在化しつつある。東京商工リサーチが2月10日に発表した「チャイナリスク関連倒産(2020年1月)」によると、1月に発生したチャイナリスク関連倒産は6件で、前年同月の2件から増加。負債総額は前年同月比39.2%減の7億2,800万円だった。

 これまでのチャイナリスク関連倒産は、現地の人件費高騰などによる「コスト高」や、安価製品との競合による「価格競争」を要因とするものが多かった。しかし1月は、ペットボトルなどの回収・輸出を手掛ける企業や、古紙回収を手掛ける企業が、中国が2017年から段階的に廃プラスチックや古紙などの廃棄物の輸入制限を強化したことで取り引きの大幅低下や価格下落により経営に行き詰まるなど、中国の規制変更に伴う倒産が2件発生。経営に影響を及ぼすチャイナリスクの内容が変化しつつある。

 2019年(1月~12月)に発生したチャイナリスク関連倒産は36件で、前年の48件を下回った。しかし、1月の関連倒産が大幅に増加したほか、新型コロナウイルス感染症の発生源とされる中国・武漢市を中心に感染拡大に歯止めがかからず、日系企業を含め、多くの企業が工場の稼働停止や事務所・店舗の休止に追い込まれている。

 2020年のチャイナリスク関連倒産は、前年を上回って推移する可能性がありそうだ。

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