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「人手不足倒産」1月は最多件数を更新、一方でセルフレジなど省力化機器の需要増

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2020/02/29 12:00

 東京商工リサーチが2月10日に発表した「1月の人手不足関連倒産調査」の結果によると、1月の人手不足関連倒産は55件発生し、2013年に調査を開始して以来最多を更新した。これまで最も多かったのは2019年12月の51件で、2カ月連続で50件を上回り、急増ぶりが目立つ結果となった。

 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、入院などの「後継者難」が36件で最も多かった。次いで多かったのは、人員確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」が10件で、以下、賃金上昇が収益を圧迫した「人件費高騰」が5件、幹部や中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」が4件で続いた。

 産業別では「建設業」が14件で最も多く、以下、「卸売業」と「サービス業他」がそれぞれ9件、「製造業」と「運輸業」がそれぞれ8件、「小売業」が4件、「農・林・漁・鉱業」と「不動産業」、「情報通信業」がそれぞれ1件で続いた。「金融・保険業」は発生がなかった。

 また、年度別の発生件数は、2018年度(2018年4月~2019年3月)の399件がこれまで最も多かった。しかし、2019年度は1月までの累計ですでに389件(前年同期比15.4%増)に達しており、前年度の399件に10件差まで迫っている。2019年度は、年度の最多件数更新がほぼ確実になったといえそうだ。

 一方、株式会社富士経済は、ITを活用して省人化や無人化など業務効率化に寄与する品目の伸びが期待される「小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービス」の国内市場を調査し、その結果を「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」にまとめ、2月13日に発表した。同機器・システム&サービスは、深刻化する人手不足や人件費の高騰といった課題解決策として期待されている。調査期間は2019年8月から11月。

 注目されているのは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ。2019年の同市場規模は前年比7.5%増の72億円が見込まれ、2030年には2018年比で8.1倍の540億円に拡大すると予想されている。

 RFIDタグは、商品に値段や製造年月日などの情報を入力したタグを貼り付け、読み込み装置の「リーダライタ」で電子情報を読み込むシステム。バーコードよりも読み取り精度が高く、瞬時に数量、サイズ、色などの記録された商品情報を収集できる。また、レジなどの時間短縮だけでなく、食品の賞味期限なども管理できるため、売上・在庫管理の効率化、さらには万引き防止などへの応用も可能になる。

 また、完全自動セルフレジ(レジロボット)も注目されている。2019年の同市場規模は、前年とほぼ変わらず20億円が見込まれ、2030年には2018年比で12.5倍の250億円に拡大すると予想されている。

 完全自動セルフレジは商品に付いているRFIDタグなどを読み取り、自動で一括スキャンして精算できるレジ。レジ業務の省人化が実現すれば、店内のスタッフは接客サービスに注力できるため、導入メリットが大きい。しかし、現在はRFIDタグの導入が限定的であることから、選択肢の一つにとどまっている。同市場は、RFIDタグが普及し始める2025年以降の拡大が予想されている。

 少子高齢化による人手不足や人件費高騰が課題となる中、省力化機器やシステム関連などの市場は大きく成長する可能性がありそうだ。

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