MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

観光列車のバラエティ広がる、新型コロナで運行休止も今後に期待

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020/03/22 11:00

 観光列車は付加価値を高めたさまざまなプランが提供され、鉄道に興味がなかった消費者層の需要獲得が進んで市場が拡大している。

 矢野経済研究所は、観光列車市場参入企業や関連企業を対象に「国内の観光列車市場」を調査し、その結果を3月4日に発表した。調査期間は2019年8月から12月。

 調査における観光列車は、既存線区を活用して観光客誘致などを目的に運行される列車で、定期的に運行するトロッコ列車やSL(蒸気機関車)を含み、車両外装のみラッピングした電車や単発のイベントとして運行される列車、プロモーションを目的に単年のみ運行される列車は含まない。

 2018年度の観光列車市場規模(乗車券、指定席券、旅行商品などを対象・売上高ベースで算出)は157億円で、2019年度は前年度比4.4%増の163億9,000万円に拡大すると予想。毎年新しい観光列車が運行を開始しているほか、豪華な料理を列車内で提供するなど、運航会社が付加価値を高めるための取り組みに力を入れており、2020年度以降も市場は拡大していきそうだ。

 昨年運行を始めた観光列車には、西日本鉄道の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(ザ レール キッチン チクゴ)」がある。窯を中心にしたオープンキッチンを備え、沿線地域の食材を用いた作りたてのブランチ・ランチ・ディナーを提供。金土日祝日を中心に、西鉄福岡(天神)駅から大牟田駅の区間で運行されている。3月は新型コロナウイルスの影響で運行を休止しており、3月12日の発表では3月29日までの運行休止が決まっている。

 また、1月には東急株式会社とJR北海道が、北海道内を3泊4日で周遊する「THE ROYAL EXPRESS~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」の旅行プランを発表した。札幌を出発し、帯広・十勝、釧路・知床、オホーツク・北見、旭川・美瑛・富良野を巡る。周遊先では各地域の魅力を楽しめる宿泊先が用意されるほか、車内で提供される昼食は北海道ならではの地元の食材を中心にした創作したメニューが用意される。運行期間は8月14日から9月18日の約1カ月間、定員30名で計5回運行の予定。基本料金は68万円。

 なお、矢野経済研究所の調査によると、鉄道事業者(回答社数39社・当該設問回答者数34社)に観光列車の連携先を聞くと、「旅行会社」82%、「地方自治体」76%、「飲食店」50%、「バス会社」「地元商店街」26%の順で多く、地方自治体より乗客の増加につながる旅行会社と連携している鉄道事業者が多かった。その一方で、インバウンド需要が拡大する中、海外を専門とした旅行会社と連携している鉄道事業者は少なく、その割合は9%にとどまっていた。

 観光列車は付加価値を高めた観光列車のプランが各地で提供されている。当面は新型コロナウイルスによる影響を受けるものの、国内の観光コンテンツの一つとして定着していきそうだ。

【関連記事】
2月の平均時給で「イベント・キャンペーン」だけが減少、コロナの影響はアルバイトにも
企業のコロナ対策に「外資・日系」で違いはあるのか? 一方、働くママが「親子リモート」に感じる課題
コロナの影響で業績予想の修正が相次ぐ、最大はHISの売上高マイナス1250億円

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク


All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5