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新型コロナウイルスが住宅ローンに与える影響とは?

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2020/03/26 12:30

 オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を提供するMFSは、新型コロナウイルスがもたらす住宅ローン市場への影響を分析したレポートを発表。「新規借り入れ」と「借り換え」の2つのケースについて考察している。

新型コロナウイルスが住宅ローンに与える影響

 オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を提供するMFSは、新型コロナウイルスがもたらす住宅ローン市場への影響についてのレポートを発表した。

 新型コロナウイルスによる世界的な景気減速を受けて、株式市場はかつてのリーマン・ショックを彷彿とさせる歴史的な下落となっている。一般的に景気の悪化は金利低下を招くため、住宅ローンの金利は下がり、借り換えの好機となる。

 米国ではFRBの緊急利下げにより住宅ローン金利が過去最低レベルまで下がり、対前年比で5倍近い借り換え申請が発生している。一方、日本では、ドル回帰とキャッシュ化の動きで日本国債が売られる、いわゆる「質への逃避」が起こっており、長期金利が上昇している。

 MFSが発表したレポートでは、このような状況下で、今後、住宅ローンを借りる人、または借りている人はどのような行動を取ればいいのかを解説している。

住宅ローン金利の推移

 まず、住宅ローン金利の推移を見てみよう。MFSが作成する金融機関セクター別金利インデックスの過去2年半の動きは、変動金利から長期固定金利まで全体的に低下傾向にあった。

 直近のネット系銀行の変動金利は0.47%。長期金利セクターでは、今月メガバンクの10年固定が過去最低の1.04%となる一方、フラット35の金利は昨年10月に過去最低の1.11%をつけたあと、若干上昇している。

 日銀の緩和スタンスは継続しており、今後も住宅ローン金利は低下基調で推移するものの、10年固定や全期間固定の金利は、コロナショックの影響が収まるまで一時的に上昇しそうだ。

短期的金利予測

 短期的金利については、2020年4月の金利予想は以下のようになっている。ネット系銀行の変動金利は変わらず、来月の金利をすでに発表した楽天銀行やソニー銀行を除く多くの金融機関の10年固定金利は、コロナショックによるスワップレートの急上昇を受けて0.13%程度上昇すると予測している。

 フラット35は、今月発行された住宅金融支援機構の資産担保証券の利回りが0.06%上昇しので、同程度上昇すると考えられる。

長期的金利予測

 コロナショックの影響は拡大を続けており、グローバル経済へのダメージは計り知れないものとなっている。この事態に対応するため、各国は前例のない金融緩和や景気刺激策によって、経済がデフレスパイラルへ陥るのを避けようとするため、結果として住宅ローン金利は長期的には低利で推移すると考えられる。

 ただ、コロナショックが実体経済に壊滅的な影響を及ぼし始めた場合、つまり住宅ローン利用者が減給や失業などにより住宅ローンの返済を滞るような事態が生じてくると、金融機関がそのリスクに対応するため、住宅ローンの審査基準の厳格化や金利を引き上げることにつながる。可能性としてはまだ低いが、そのような事態も想定しておく必要があるとMFSは分析している。

住宅ローンの「新規借入」「借り換え」それぞれのスタンス

 こうした状況を踏まえて、MFSは住宅ローンの「新規借り入れ」「借り換え」それぞれのケースでどのように考えるべきかをまとめている。

「新規借り入れ」の場合

 現在、住宅購入者にとって魅力的な金利水準でローンが利用できる状態となっている。固定特約型や全期間固定型のローン金利は一時的に上昇するものの、長期的には低下してくると考えられる。金利上昇は起こりにくく、金利を固定化する必要はないだろう。

 一方、前述のように、今後コロナショックが経済全体に実質的な影響を与え、住宅ローンのデフォルト率が上昇するような事態になると、金融機関が貸し出しに慎重になる可能性もある。結果として、住宅ローンの金利が上がる可能性もあり、住宅購入を考えている人は早めにローンを確保しておいた方がいいだろう。

「借り換え」の場合

 現在、ネット系銀行の変動金利型では0.4%台の金利のローンへ借り換えできるため、まだまだ多くの人が住宅ローンを借り換えて返済額を減らせる状況にある。

 また、住宅ローンに付随する団体信用生命保険(以下、団信)には、がんやその他疾病保障が付いたローンも出ている。

 新型コロナウイルスによる脅威が叫ばれている今日、金利的なメリットがなくても病気や怪我により働けなくなった場合に備えて、疾病保障付きローンへ借り換えるメリットはあるだろう。

2つの観点から「住宅ローンはマイナス金利」と考えられる

 最後に、住宅ローンは借入額の1%の所得税控除が13年間にわたって受けられるため、0.4%の金利のローンの場合、税効果を考えれば0.6%のマイナス金利で借りているのと同じになる。

 また、厚生労働省が発表した「平成29年簡易生命表の概況」によると、男性の50代後半の死亡率が0.5%を超えており、団信のメリットを考えると50代後半以降は実質的にマイナス金利と考えられる。

 以下のグラフは、0.4%の金利の住宅ローンから所得税控除分と死亡率を考慮して、実質的な住宅ローン金利がどのように変化するかを表したもの。イエローの「実質住宅ローン金利」は、ほとんどの期間でマイナス金利となっている。

 このため、金利の状況から考えると、できるだけ多くの金額をできるだけ長く借り続ける(繰り上げ返済をしない)ことが合理的な住宅ローンの利用方法だと言えると、MFSは分析している。

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