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上場企業の4社に1社がコロナの影響、新卒採用では「WEB化」の波

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2020/04/11 11:00

 新型コロナの影響が多くの企業におよぶ中、2021年卒の学生の採用計画については、今のところ前年並みを見込む企業が多いようだ。

 帝国データバンクは、企業の決算短信や業績予想の修正、お知らせなどの適時開示情報、各社のプレスリリースといった公開情報をもとに、新型コロナウイルスに関連する影響や対応などについてまとめ、3月31日に結果を発表した。

 昨年12月から3月31日午前9時までの間に、新型コロナの影響で工場や店舗などの休業、防疫措置などの影響を受けた上場企業は1,042社判明し、前回調査の3月16日以降の約2週間で約300社増加した。上場企業の社数は約3,800社であることから、約4社に1社が新型コロナの影響を受けたことになる。

 3月25日には、東京都の小池百合子知事が「感染爆発の重大局面」として不要不急の外出自粛を要請したことから、在宅勤務やテレワークの導入、休業・営業時間短縮などを行う企業が急増し、3月27日には影響・対応を開示した上場企業が100社を超えて昨年12月以降で最も多くなった。

 影響を受けた1,042社のうち、具体的な影響も含め業績へのマイナス影響に言及した上場企業は435社。このうち「影響の懸念がある」など影響不確定の企業は240社、月次の客足・販売の減少、下方修正などで「既に業績への影響が出た・今後出る見通し」など影響ありの企業は195社で、下方修正などを行った企業の売上損失累計は1兆円を超える見通しとなった。このうち、チケット販売大手のぴあは、イベント中止が相次いだことで払い戻しに係る手数料負担が膨大となり、2020年3月期の連結純利益が前期比で約9割減少する見通し。

 影響の内訳は「防疫のためテレワークやオフピーク出勤、特別休暇制度の取得推奨など、働き方の変更」が269社で最も多く、「店舗や拠点の営業休止、営業時間短縮対応など営業活動への影響」が166社、「サービス・イベントなどの開催中止・延期」が146社、「工場等で生産調整や稼働停止など生産活動に影響」が115社で続いた。

 また、「自社や関連会社などで従業員の感染が判明」は92社(前回比+45社)となり、100社規模に迫っている。当初は小売やサービス、運輸などの業種で感染が続いたが、3月後半では製造や建設などでも従業員の感染が相次いで発覚した。

 そのほか「内定取り消しへの支援」が25社となっており、「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは、2020年4月入社を予定していた新卒者の内定が取り消しとなっている事態に対応するため、追加で採用選考を行う。

 一方、株式会社マイナビは「2021年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」を実施し、その結果を3月30日に発表した。調査対象は新卒採用実績のある国内企業1,060社(上場292社・非上場768社)、調査時期は2月13日から3月6日。

 2021年卒の採用スケジュールについて寄せられた回答を、2月中に回答のあった企業(N=764社)と、感染拡大のニュースが大きく報道され始めた3月に回答のあった企業(N=296社)で比較したところ、2月中に回答のあった企業では、これまでの売り手市場を背景に採用スケジュールの「前倒し傾向」がみられたが、3月以降に回答のあった企業では、「ES結果通知」「面接」「内々定出し」の開始時期が1か月ほど後倒しになる企業もあった。新型コロナの影響で学生との接触機会が限定され、採用活動における選考フェーズが後にずれているようだ。

 2021年卒の採用予定数は「大学(文系)」「大学(理系)」「大学院(理系)」など、いずれの属性でも「前年並み」とした割合が最も高かった。また、「増やす」が「減らす」を大きく上回っている。ここ数年「売り手市場」が続いているが、採用意欲は前年同様高い状態を維持しているようだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって採用手法にも影響がでているようだ。「特に注力した採用手法」としては「個人面談」が最も多く36.5%。前年も32.2%で1位だったがさらに4.3ポイント増加している。「今年から導入した採用手法」としては「WEBセミナー」が16.9%で、前年(7.3%)から9.6ポイント増と大きく導入が進んだ。企業が学生との接触機会をもつために「1回の接触を少人数化する」「WEB化する」などの対策を講じている様子がうかがえる。

 新型コロナの影響で、内定の取り消しをする企業も出てきているが、2021年卒の学生の採用計画については、やや消極的になりつつあるものの、新たな採用手法にも取り組みつつ、今のところ前年並みを見込んでいる企業が多いようだ。

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