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株式投資とは「意志のある企業を応援すること」、澤上龍×瀧俊雄の「ここでしか聞けないお金の話」

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2020/05/24 12:00

 コロナショックで先行き不透明な状況が続く中、さわかみ投信の澤上氏は「こういうときだから企業を応援しなきゃというお金がたくさん来ている、ありがたい現実です」と語ります。マネーフォワードのオンラインセミナーから、様々な投資の話、お金の話をお届けします!

コロナで揺れる株式市場について、澤上さんと瀧さんに質問!

 マネーフォワードは4月17日に、新型コロナウイルスが及ぼす家計への影響や対策についてゲストを迎えて話し合うライブ動画を配信しました。この記事では、さわかみ投信代表の澤上 龍氏と、マネーフォワードFintech研究所長である瀧 俊雄氏が、視聴者からの質問に答えながらZoomを使って行われた対談の模様をお届けします。記事の内容は以下のとおりです。

1ページ(本ページ)
 コロナで揺れる株式市場、この10年の株高を支えていたものとは?
2ページ
 「つみたてNISA」を始めたばかりの人はどうしたらいい?
 「積み立て」には2つの意味がある
 増えたお金の引き出し方のコツは?
3ページ
 どのくらいあれば「安全資産」と言えますか?
4ページ
 株式投資とは意志のある企業を「応援」すること
 ロボアドとの違いを「投資される側」から考える
5ページ
 配当の成長性と事業の成長性、どちらを優先すべき?
 そもそも相場って見るべきですか?

 では、さまざまな話題が登場する対談の模様をお楽しみください。

この10年の株高を支えていたものとは?

澤上:自己紹介として「さわかみ投信」について少しお話しますと、1996年に会社を設立し、1999年からファンドの運用を始めて昨年で20年目を迎えました。私たちは「さわかみファンド」だけを運用し、自分たちの手で顧客にお届けする直販モデル。銀行や証券会社の傘下ではない独立系ファンドです。投資のスタンスとしては「長期投資」一本でやってきました。クチコミで多くの方に広がって、現在では約12万人が口座を持っているという状況です。

澤上 龍(さわかみ・りょう)氏1975年千葉県生まれ。2000年5月にさわかみ投信株式会社に入社後、ファンドマネージャー、取締役などを経て2012年に離職。その間2010年に株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクションの創業、2012年にウルソンシステム株式会社の経営再建を実行し、2013年にさわかみ投信株式会社に復帰、1月に代表取締役社長に就任。現在は、「長期投資とは未来づくりに参加すること」を信念に、その概念を世の中に根付かせるべく全国を奔走中。コラム執筆や講演活動の傍ら起業や経営の支援も行う。株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクション代表取締役、株式会社Yamatoさわかみ事業承継機構取締役なども兼務。

澤上 龍(さわかみ・りょう)氏
さわかみ投信 代表取締役社長

1975年千葉県生まれ。2000年5月にさわかみ投信株式会社に入社後、ファンドマネージャー、取締役などを経て2012年に離職。その間2010年に株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクションの創業、2012年にウルソンシステム株式会社の経営再建を実行し、2013年にさわかみ投信株式会社に復帰、1月に代表取締役社長に就任。現在は、「長期投資とは未来づくりに参加すること」を信念に、その概念を世の中に根付かせるべく全国を奔走中。コラム執筆や講演活動の傍ら起業や経営の支援も行う。株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクション代表取締役、株式会社Yamatoさわかみ事業承継機構取締役なども兼務。

瀧:私はもともと証券会社出身なので、市場が揺れるときというのは12年前にいちど経験しているのですが、この感染症については2月の終わりぐらいまでは、誰もこんな大ごとになると思わずに、「なぜこんなに株価が下がるんだ?」と思っていたと思います。1月から3月ぐらいにかけて、さわかみファンドでは市場のとらえ方はどのように変化したのでしょうか。

澤上:私たちも2月中旬ぐらいまで、影響がここまで大きくなるとは思っていなかったというのが正直なところです。ただ、2~3年ぐらい前からどこかで市場は調整するだろうとは思っていました。コロナがトリガーになって大きな調整が来てしまったという感覚なので、実際のところはあまり大きくは驚いていないというのが現状ですね。

 リーマンショック以降、この10年近くずっと株高が続いていましたが、その背景にあるのはこれまでの金融バブルに近い状態です。具体的には2008年以降、リーマンショックが終わってから、世界にはものすごい量のお金がばらまかれました。借金したお金を使って景気を上げていこうとしていたんですね。政府や中央銀行は、消費を喚起して経済を良くしようと思っていたわけですが、残念ながらそのお金のかなりの部分が投資に行ったと思います。実体経済の成長というより、金融バブルの様相が見えていた。したがってこの10年の株価上昇は金融が支えたものです。

 もうひとつ、企業による自社株買いも影響しています。投資マネーが強くなっていくことによって、企業が投資家を意識する時代になっていった。企業は株主に応えようと、自分たちの株式をマーケットで買って減らし、配当を出そうとします。これをアメリカなどでは借金でやっていたんですよね。お金を借りて株主を喜ばせる。これがいつまで続くんだという懸念があって。金利の低いことも含め、いずれもたないだろうと考えていました。

瀧:さわかみ投信の場合、定期積み立てを利用している人が多いですよね。毎月お金がどんどん入ってくる中で、「どこかで下がるかもしれない」と思いながら、「何か買わなきゃいけない」状況だったわけです。下落予想がある中でロングサイドに立ち続けるというのは、投資家としてどのような気持ちで日々生きていくことになるのでしょう。

瀧 俊雄(たき・としお)氏取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長2004年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社に入社。株式会社野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学MBA、野村ホールディングス株式会社の企画部門を経て、2012年より株式会社マネーフォワードの設立に参画。経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」に参加。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」メンバー。

瀧 俊雄(たき・としお)氏
取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長

2004年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社に入社。株式会社野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学MBA、野村ホールディングス株式会社の企画部門を経て、2012年より株式会社マネーフォワードの設立に参画。経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」に参加。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」メンバー。

澤上:さわかみファンドでは、投資家の皆さんを「ファンド仲間」と呼んでいるのですが、投資経験が10年以上の方がすごく多いんです。その方々が積み立てをして、ニューマネーがファンドに入ってくるわけですが、10年続けていると50歳で始めた人は60歳になっている。その人たちは「お金を入れて資産を増やす」ステージから、「少しずつ大きくなったものを引き出して使う」ステージに移行していきます。

 「お金が増えたので、自宅のリフォーム代として50万円を引き出します」というかたちで、上昇相場の中で引き出す人も多かったので、私たちはあまり「買え」というプレッシャーを受けていません。逆にいまの足元(株価急落時)の買付件数は10倍以上になっています。

瀧:スポットで買う人が多いと。

澤上:積み立てとは別に、「こういうときだから企業を応援しなきゃ」という想いのこもったお金がたくさん来ています。ありがたい現実です。なので、さわかみファンドが他のファンドと違うのは、「株価が下がったらみんなで買うぞ」「株価が上がっているところは少し経済にお金を回そうよ」というように、ファンド仲間も私たちも同じ想いを持ちながら運用しているところだと思います。

瀧:あらためて米国ダウ平均とS&P 500の推移を見てみると、ピークのところからすとーんと30%ぐらい下落して、ようやく半分ぐらい戻してきた状況です。澤上さんは、この直近1か月ぐらいの相場の推移をどうご覧になっていますか。

資料提供:マネーフォワード
資料提供:マネーフォワード

澤上:コロナによって経済がダメージを受けて、それがきっかけとなって市場が下がったのは間違いないのですが、先ほどお話ししたように金融バブル的な状況があり、適正な値段よりも随分上に行ってしまっている状況がありました。その中で経済がダメージを受けたことによって、走っている自転車のタイヤに穴があいて空気が抜け始めた。このままいくとタイヤがしぼんで自転車が倒れて走らなくなるんじゃないかというリスクを感じて、投資家が市場からお金を引き上げたのが3月の下旬にかけてだと思います。

 それに対して、各国の政府や中央銀行が多額の財政出動をすることによって「タイヤに空気を注入して立て直します」という大きな宣言を出しました。これを聞いた投資家が「それならば大丈夫かもしれない」ともう一度市場に戻ってきた。「逃げたお金が帰ってきた」みたいなことで、半値戻しみたいなかたちになっているのかなと考えています。

瀧:人によっては「今年の年末ぐらいにはワクチンが開発されている」といった、かなり楽観的要素に基づいた超グッドシナリオがある一方で、中庸なシナリオでは2~3年は回復に時間がかかるし、アメリカの4~6月期のGDPは20%以上減るといった予想もある。いまは相場について、実体経済を含めて合理的に考えようとするべきではないということなのか、そもそも相場なんて気にするなということになるのか。

澤上:マーケットに短期のお金がじゃぶじゃぶ入ってきて、それが相場を動かしている。様々なシナリオは相場を動かすきっかけではあるものの「実体経済を反映している」とは言い難いです。よって、あまり相場は意識すべきではありません。将来のことなので読みが当たるかはずれるかは別にして、経済のダメージが大きく、長引くということがわかってきたら、お金はまた逃げ出す可能性がある。二番底が来ることは覚悟してもいいと思います。


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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