「ポイントだからやってみよう」を後押し
――ポイント運用サービスは、たまったポイントを投資の世界で運用してみませんかというものです。今日はそのひとつ「StockPoint」について、運営会社STOCK POINT代表の土屋清美さんにお話をうかがいます。
土屋:私たちは2016年にSTOCK POINTを設立し、2017年12月にポイント運用サービス「StockPoint」をスタートしました。ユーザーがたまったポイントをStockPointに持ってきて株式などの金融商品に投資をすると、市場の動きに合わせてそのポイントが実際に増減するというサービスです。この「ポイントが株価に連動する総合サービス」について日本で特許を取得しています。
皆さんよく「ポイント投資」と「ポイント運用」という言葉を聞くと思いますが、この2つの違い、わかりますか?
――どちらもポイントを使った投資だと思いますが……。
土屋:「ポイント投資」は、ポイントで株や投資信託が買えるというもので、たとえば1ポイント=1円だったら、株式を購入するときに1,000ポイント使うと1,000円分値引きされる。一方で、StockPointのような「ポイント運用」は、ポイントの価値が株価に連動して変化するというものです。

――そこは大きな違いですね。利用しているのはどんな人たちなのでしょう。
土屋:私たちが2019年6月に行ったユーザー調査では、男性67%、女性33%。20代が20%、30代が32%、40代が31%で、20代と30代あわせると52%になります。ユーザーの約3割は、証券口座を開いたこともないし、投資信託を買ったこともない、まったくの未経験者です。
なぜポイント運用をやってみたのか理由を聞いてみたところ「ポイントだから」という答えが60%でした。やはり、たとえ100円でも自分のお金を使って投資するのはハードルが高いのだと思います。でも、自分のできる範囲でちょっと試してみたいと思っている人も多いのでしょう。2020年4月時点で、StockPointユーザーは12万人にまで増えています。
ユーザーが増えていく中で、StockPointの提携先も増えていきました。ポイント交換サービス「ドットマネー by Ameba」を皮切りに、永久不滅ポイントやPontaと提携し、さらにJACCSからStockPointカードをローンチしたり、三越伊勢丹グループのエムアイカードとのポイント交換を可能にしています。
――StockPointを利用するときは、どのようにスタートするのでしょうか。
土屋:利用者はStockPointアプリを使って、永久不滅ポイントやPontaなど提携先のポイントを「StockPoint」というポイントへ交換し、株式銘柄(コース)を選んでそのポイントを割り振ります。ポイントは企業の株価に連動して毎日その価値が変動します。普通のポイントは持っている限り、ずっと10ポイントのままですが、StockPointは自分で選んだ銘柄に連動して増えたり減ったりするのは、先ほどお話ししたとおりです。
運用した結果、本物の株式と交換できるだけのポイント(1株相当以上のポイント)がたまったら、ポイントを使って現物株を手にすることができます。その際には、証券会社に口座を開く必要がありますが、StockPointとして保有している限りは、金融商品ではないので、口座開設や本人確認手続きなどは必要ありません。ですから誰でも、小さいお子さんでも利用して楽しむことができます。
――リアルな投資体験ができる学習ツールとも言えますね。
土屋:そうですね。取り扱っている金融商品も株式以外に、外国為替(米ドル)やREIT、投資信託、暗号資産と広がってきているので、自分の考えや好みに合わせて選ぶことができます。増減をチェックするためにアプリを開く方も多いです。
コロナショックをユーザーはどう受け止めたのか
――新型コロナウイルスの感染拡大の影響で株価が大きく下落しましたが、この変化についてユーザーにアンケートを行ったそうですね。
土屋:3月30日から4月5日にかけてアンケートを行って、1,074名から回答がありました。回答者の属性を見ると、男性75%、女性24%、年代別では40代が37%と最も多く、30代が24%、50代が22%、20代は9%となっていて、回答者の約半数が株式や投資信託などの投資経験者でした。
新型コロナウイルス感染拡大がStockPointでポイント運用する銘柄、ポイントの増減、ポイントの交換などに影響に及ぼしたかをたずねたところ、80%が「影響を及ぼした」と答えています。コロナショックでポイントが減ったという声もありましたが、株価下落をチャンスと考えている人も多かったです。
「今後、新しい金融商品銘柄へポイント運用してみたい」と回答した856名に、StockPointのテーマ投資のうち、今後はどのテーマに含まれる銘柄で運用したいのかを複数回答で聞くと、投資信託、ETF、株式、REIT、eワラント、FXが含まれる「金融商品いろいろ」が最多となりました。

その次に人気だったのが、ミクシィ、ディー・エヌ・エー、LINE、メルカリ、Zホールディングス、サイバーエージェント、楽天、KDDI、ソフトバンク、ドコモ、GMOインターネット、ソフトバンクグループが含まれる「ネット&すまほ!」でした。
また、ポイント運用を行う際の判断基準となる情報の入手先としては、「ネットニュース」35%、「テレビ番組」16%、「新聞」15%、「SNS(Twitter)」9%などが挙がっていました。
――StockPointユーザーの興味関心がデータから見えてきますね。