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社長・CEOの報酬格差は日米で12倍に、コロナの影響で役員報酬を減額する企業が世界的に増加

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2020/07/21 10:00

 日本と欧米の間で社長・CEO報酬の格差が広がる一方、新型コロナウイルスの影響で役員報酬を減額する企業の数はリーマンショック時を超える可能性が出てきた。

 デロイト トーマツ グループは、日本および米国・英国・ドイツ・フランスの計5か国の企業の社長・CEO報酬の実態調査を実施し、7月20日に結果を発表した。

 日本の社長・CEOの2019年度の報酬総額の中央値は1.3億円(前年比3%減)。これに対して、米国は16.2億円(前年比3%増)と各国の中でも抜きん出た水準となり、日米格差は前年の11倍から12倍へと広がった。

 欧州では、英国で5.0億円(前年比14%減)、フランスでは4.5億円(前年比18%減)、ドイツでは6.9億円(前年比8%増)となっており、日欧差は4.2倍となった。

 同社の調べによると、日本の報酬構成における固定報酬・変動報酬の比率は固定報酬が57%と高くなっている。2018年6月のコーポレートガバナンス・コードの改訂を受け、株式報酬の導入は引き続き増加しており、これに伴って、各社の(制度上の)変動報酬比率は更に高まることが予想される。

 また今回、英国・フランスでは、新型コロナウイルスによる配当減や株価の急落に伴う影響等により、賞与や株式報酬といった変動報酬が昨年と比較して大きく落ち込んでいる。

 新型コロナウイルスの影響によって、役員報酬を減額する企業は増加しており、7月10日時点では、206社が経営トップの役員固定報酬の削減を実施。中でも外食等の小売業(60社)、もしくはエンターテインメント関連を中心とするサービス業(48社)で、減額開示を行う企業が多くなっている。また、経営トップの固定報酬減額率は「30〜40%未満× 3か月減額」とする企業が最多となった。

 新型コロナ危機を受けた役員報酬の減額開示ペースは7月10日時点で、2008年のリーマンショック時と同程度の状況となっている。金融危機時には最終的に762社が役員報酬削減の開示を行った。新型コロナ危機の影響が今後どの程度長期化するかは不透明であるが、リーマンショック時を超える可能性も考えられると分析している。

【調査概要】
2002年から実施している「役員報酬サーベイ」は、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態をまとめている日本最大規模の調査。2019年度版は2019年7月~9月にかけて三井住友信託銀行株式会社と共同で実施し、東証一部上場企業を中心に928社から回答を得た。

【編集部より、中央値前年比の修正について】
日本、英国、フランスの社長・CEOの報酬総額の中央値の前年比が、対前年で「増」となっていましたが、「減」に修正しました。対前年で増加しているのは、米国とドイツのみです。お詫びして修正いたします。(2020年7月23日)

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