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化粧品売り場で顧客に触れられない百貨店、ネット通販へのシフトが鮮明に【コロナ禍の化粧品市場】

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2020/08/01 11:00

 株式会社富士経済は、多様化が進む国内化粧品の販売チャネルの市場を調査し、その結果を7月20日に発表した。調査期間は1月から5月。

 2014年、化粧品が外国人旅行者の誘客のために消費税免税対象となって以降、化粧品の国内市場(小売ベース)は、百貨店やドラッグストア、ディスカウントストア、家電量販店、空港型免税店などの販売チャネルが好調で、2019年は全体の79.9%を店舗販売が占めた。

 無店舗販売の多くを占める訪問販売が苦戦しているものの、公式通信販売や通信販売卸が好調で2016年から市場は伸びている。しかし、2020年は新型コロナ感染症の影響で、店舗販売、無店舗販売ともに市場縮小が予想されている。

 主要チャネルの市場規模を見ると、ドラッグストアは2019年が前年比4.6%増の1兆6,387億円で推移したが、2020年は同3.7%減の1兆5,776億円と見込まれている。訪日外国人観光客やソーシャルバイヤー(代理購入者)の需要の高まりによってドラッグストア市場は拡大。2019年中国で消費者保護と転売対策を目的とした新EC法が施行されても、市場は拡大していたが、2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクなどの衛生関連商品の需要が急増したが、化粧品需要にはつながらず、市場は縮小するとみられている。

 百貨店は2019年が前年比2.0%増の5,655億円で、2020年は同22.2%減の4,400億円に大きく落ち込む見込み。昨年まではインバウンドに加え、SNS映えするアイテムへの関心が高まったことで、若年層を取り込んで市場は拡大してきた。しかし今年は新型コロナの影響でカウンターでのタッチアップを自粛するブランドが多く、都市部を中心に臨時休業する店舗があり、市場は大幅に縮小すると予想されている。

 訪問販売は2109年が前年比1.4%減の4,742億円で、2020年が同12.3%減の4,160億円。化粧品店薬局・薬店は2019年が同3.0%減の3,521億円で、2020年が同8.0%減の3,239億円。2020年はいずれも縮小傾向が加速する見込みだ。

 そんな中、市場が拡大しているのが、メーカーやブランドが直接販売する公式通信販売だ。2019年が前年比2.1%増の3,807億円で、2020年は同1.0%増の3,845億円と予想されている。この市場は2012年以降拡大を続けており、今年は新型コロナの影響で店舗販売での需要が通信販売へシフトすることにより、市場の拡大が見込まれている

 一方、ノイン株式会社は、運営する化粧品ECプラットフォームの登録ユーザー2,350名を対象に「外出自粛前後における化粧品購入に関しての意識調査」を実施した。調査期間は5月28日から6月3日。

 外出自粛期間中に化粧品を何回購入したかをたずねると、「1〜2回」という人が57%を占めた。「3~4回」が20%、「5回以上」12%、「0回」11%だった。

 外出自粛期間中、主に化粧品をどこで購入したかについては、「化粧品専門ECサイト」が30%で最も多かった。以下、「ドラッグストア」「総合ECサイト」「ブランド自社EC」が続き、「百貨店EC」の2%を合わせると65%がオンラインで化粧品を主に購入していた。

 外出自粛期間中に購入した商品トップ3を見ると、「スキンケア用品」が62%、アイメイクやチークなど「メイクアップ」が61%で、外出機会が減った状況でも、メイクアップ用品の購入は大きな落ち込みを見せていなかった。

 また、オンライン・オフライン問わず、化粧品購入の際には34%がSNSの口コミを参考にしていると回答。新型コロナウイルスの感染防止の側面から、店頭での滞在時間を少なくするために事前に情報収集し、買うものを決めてから店頭に向かうようになったという声もあった。

 外出自粛明けの購入意向を聞くと、98%が「引き続きオンラインでも購入したい」と回答したほか、初めて化粧品をオンラインで購入した人の92%が「今後もオンラインで化粧品を購入したい」と回答し、リピート率は高かった。

 また、自粛明けの化粧品の購入については47%が「増えそう」と回答し、「変わらない」の45%と「減りそう」の8%を上回った。

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