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在宅勤務で賃貸物件の「ネットの回線速度」を重視する人が増加、仲介会社はZoomやLINEも活用

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2020/08/08 13:00

 アットホーム株式会社は7月27日、同社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開されたデータをもとにまとめた、全国主要都市の「賃貸マンション・アパート 募集家賃動向 2020年6月」を発表した。対象エリアは首都圏(東京23区、東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県)、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の9エリア。

 2020年6月の東京23区のマンション家賃は、「シングル」が前年同月比2.9%増の9万713円、「カップル」が同4.7%増の13万3,449円、「ファミリー」が同5.4%増の19万1,277円、「大型ファミリー」が同3.9%増の33万7,518円だった。

 「シングル」と「カップル」は長期的に上昇が続いていたが、2020年4月以降一服感が見られる。他方、「大型ファミリー」は2015年1月以降で最高値になった。

 一方、アパートでは「シングル」が同2.5%増の6万5,780円、「カップル」が同2.7%増の9万7,824円、「ファミリー」が同1.9%増の12万6,680円。「シングル」は2015年1月以降で最高値になった。

 他エリアの家賃も堅調に推移しており、名古屋はアパートの「シングル」は同7.3%増と大きく上昇。大阪市はマンションの「カップル」「ファミリー」ともに同5%超の増加。福岡市はマンションの「大型ファミリー」、アパートの「カップル」は2015年1月以降で最高値になった。

 一方、リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社は、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の賃貸不動産仲介会社211社を対象に「新型コロナによる賃貸不動産仲介会社への影響度」を調査し、その結果を7月27日に発表した。調査期間は6月4日から18日。

 問い合せの件数について、例年と比較してどのように変化したか印象を含めて聞くと、首都圏全エリアでは、4割以上が「減った」と回答しているものの、「増えた」という回答も多く見受けられ、差し引きでは20%程度の減少に留まっている。都心の仲介会社に限定するほど「減った」という回答が多く見られた。

 一方、内覧・申込の件数については、例年と比較し6割以上が「減った」という回答。こちらも、都心の仲介会社に限定するほど「減った」という回答が多く見られた。

 顧客が求める物件のネット環境についてたずねると、6割近くが「ネット環境にこだわる」という結果が出ている。中でも、「ネット無料」より「ネットの回線速度」にこだわる人が多く、さらに都心に限定すると、その傾向はより顕著となっている。これらの主な要因として、「在宅ワークの増加」を指摘する仲介担当者の声が多く挙がった。

 また、新型コロナが流行し始め数ヶ月の間、各仲介会社の対策が急速に進んだことも明らかになった。現状7割以上の仲介会社が何らかのIT重説(重要事項説明)ツールを備えており、「Zoom」や「LINE」が占める割合が4割と、低コストで利用できるツールに人気が集まっている。

 遠隔の内覧に利用するツールについては、「LINE」「写真」「Zoom」が上位となった。これらの低コストなツールを活用する場合も、仲介担当者が現地に赴かなければならないという人的コストが発生するため、物件動画や物件写真の提供を元付会社(管理会社)に求める声が多く、これらが豊富に流通すれば、仲介会社の営業効率が大きく向上すると予想される。

 不動産賃貸市場はコロナ禍でも堅調に推移しているものの、問い合わせ数や内覧、申し込み件数は減少し、厳しい経営環境が続いている。ITツールの活用で、安全性の向上や業務の効率化にもつながれば、業界全体の働き方にも変革をもたらすことになりそうだ。

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