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不動産賃貸仲介の業況が大幅悪化、「家賃の減額請求が増えた」72.4%

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2020/08/22 11:00

 アットホーム株式会社は加盟店を対象に、四半期ごとに居住用不動産流通市場の景気動向についてアンケート調査を実施しており、第26回となる今期(2020年4月~6月期)の調査結果を、8月4日に発表した。調査期間は6月12日から26日。有効回答数は2,149店。

 調査で用いる業況DIは、回答店舗における5段階の判断で、「良かった」100点、「やや良かった」75点、「前年並み」50点、「やや悪かった」25点、「悪かった」0点とし、その平均値を算出している。業況DI=50を境に高ければ「良い」を、低ければ「悪い」を意味する。

 賃貸仲介における今期の業況DIは、首都圏(1都3県 n=992)が前期比(2020年1月~3月)17.7ポイント減の25.9、近畿圏(2府1県 n=214)が同17.3ポイント減の23.4でともに大幅悪化し、調査開始以来最低値となった。ただ、来期(2020年7月~9月期)については、首都圏が33.1で今期比7.2ポイント増、近畿圏が34.5で同11.1ポイント増となり、ともに回復が見込まれている。

 また、調査対象となった14エリアの今期業況DIは、埼玉県が23.8(前期44.7)、千葉県が34.4(同47.4)、東京23区が24.0(同43.4)、東京都下が25.8(同43.4)、神奈川県が26.5(同41.9)、京都府が23.1(同42.0)、大阪府が22.5(同38.8)、兵庫県が25.0(同43.8)、北海道が27.3(同37.1)、宮城県が23.2(同35.2)、静岡県が20.8(同39.4)、愛知県が28.4(同45.8)、広島県が25.8(同42.0)、福岡県が24.5(同44.1)で、全エリアで大幅に悪化した。

 今期業況を「悪い」と回答した不動産店からは、「更新を機に引越しを考えていたお客さまの多くが、コロナ自粛を受け引越しをせず賃貸契約を更新した。また、転勤で地方から東京圏に来る法人のお客さまが激減した」(東京都目黒区)や、「学生の入居延期、法人契約の入居延期、法人の解約延期等、今までにない状況で繁忙期(1月~3月)からの流れが一気に止まってしまった」(埼玉県川越市)といったコメントが多数寄せられた。

 しかし、「6月になってから来店が多くなった」(埼玉県深谷市)、「コロナ関連で来客は減少したが、インターネットでの問い合わせは6月に入り多少増えた」(大阪府東大阪市)といった声も多かった。こうした消費者の動向を受け、来期の見通しは千葉県(来期34.4)を除く13エリアで上向きとなった。

 一方、クラスココンサルファームは、全国の不動産業界における新型コロナウイルスによる賃貸管理業への影響を調査し、その結果を8月7日に発表した。調査対象は不動産会社48社、調査時期は6月5日から22日。

 新型コロナウイルスによる影響について聞くと、96.7%の企業が「影響があった」と回答し、「影響はなかった」は3.3%にとどまった。影響を受けた企業に、影響を受けた内容を複数回答で聞くと、「家賃の減額請求が増えた」が72.4%で最も多く、以下、「入居者からの問い合わせ、クレームの増加」56.9%、「修繕の部材の遅れ」51.7%、「スタッフのシフト」36.2%、「滞納が増えた」32.8%が続いた。

 受けた影響に対して実施した取り組みを聞くと、「家賃の減額対応、滞納への対応」が43.7%で最も多かった。その際には「補助金の資料を作成し入居者に配布した」「入居中のテナントと協力して、入居者へのテイクアウトの割引キャンペーンを実施することで売上の増加と家賃減額を防ぐ取り組みを行なった」など、積極的な対策で逆境を乗り越えようとする企業もあった。

 新型コロナ感染症の拡大で不動産賃貸の業界も大きな影響を受けている。9月にかけて業況改善を見込む企業は増えているものの、コロナ前の業況に戻るにはしばらく時間がかかりそうだ。

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