株式会社マイナビは7月24日から31日にかけて、2021年3月卒業予定の全国の大学生・大学院生7,386名を対象に「マイナビ 2021年卒大学生活動実態調査(7月)」を実施し、その結果を8月12日に発表した。
7月の内々定率は73.1%で、6月の65.1%から上昇したものの、2020年卒の6月(74.4%)とほぼ同水準で、前年から約1カ月遅れて推移している。過去の7月の内々定率は2018年卒が78.9%、2019年卒が79.7%、2020年卒が80.0%だった。また、7月の内々定保有社数の平均は2.1社で、6月の1.9社から上昇したものの、2019年卒の2.3社、2020年卒の2.2社には及ばない結果となった。

続いて、内々定を保有している学生(n=5,262)が、入社意思の最も高い企業で受けた面接の形式を聞くと、「WEB」が54.2%、「対面」が45.8%で、WEB面接がやや多い結果となった。
入社意思の最も高い企業から受けたフォローのうち、最も不安が軽減されたものについて聞くと、「人事との面談」が36.3%で最も多く、以下、「定期的なメール連絡」(14.2%)、「内定者間の座談会や交流会」(13.6%)、「複数の社員との座談会や交流会」(11.8%)、「人事以外の社員との面談」(11.2%)が続いた。
選択肢のうち、「内定者間の座談会や交流会」「複数の社員との座談会や交流会」「人事以外の社員との面談」などは、対面よりもWEB面接を受けた人のほうが多く選んでおり、人に関わる多面的なフォローを求めているようだ。
一方、株式会社学情は6月22日から30日にかけて「2021卒就職意識調査」を実施した。調査対象は運営する新卒採用向けの求人サイトの2021年卒の登録会員942名。
就職活動の中で苦労したこと・大変だったことを最大3つまで聞くと、「自分に合いそうな企業をどう探せばいいか」が47.7%で、昨年(48.7%)と同様に最も多かった。昨年同期の調査と比較すると、「社内の雰囲気や労働環境などWEBやセミナーでは得にくい情報をどう得るか」が24.9%となり、昨年より7.4ポイント増加。WEB上での就職活動では得ることが難しい、リアルなコミュニケーションによる情報収集に困難を感じる学生が多かった。また、「新型コロナの影響で就職活動が停滞したこと」という回答は22.4%だった。
就職活動の感触については「思ったより厳しい」34.9%、「思った通り厳しい」17.9%となっており、約半数(52.8%)が「厳しい」と回答。昨年同時期と比較すると、「厳しい」という回答は3.4ポイント増加している。一方、「思った通り楽」は1.9%、「思ったより楽」は19.1%。合計すると20.0%で、前年同時期より7.1ポイント減少している。

就職活動に対して「厳しい」と感じる理由は「なかなか内々定が得られない」が最多で39.4%、次いで「新型コロナウイルスによる影響があった」26.3%。昨年は、「交通費などの費用面」が58.5%となっていたが、2021年卒学生は採用活動のオンライン化により、8.4%に激減。交通費などの費用面の負担がオンライン化で緩和されていることがうかがえる。
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