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通勤は1年後も減少、ポストコロナの移動は「安全性」重視に

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2020/09/06 12:00

 コロナ禍を経て、人々の移動はどう変化するのか? デロイト トーマツ グループが行った調査によると「公共機関は避けたい、でも自家用車は持ちたくない」という消費者の意識が浮き彫りになった。

 デロイト トーマツ グループは、新型コロナウイルス感染症の影響による“1年後”の移動・クルマに対する消費者意識について、2020年6月に日本全国3,120人を対象に調査を実施した。

 1年後を見据えた移動目的別の年間移動距離においては、2018年調査と比較し、通勤目的の移動割合が31.0%から19.5%へと11.5ポイント減少する見込みとなった。一方で、移動量全体における私的な移動(買い物、外食、観光・レジャー、ドライブ、通院・診療)は前回調査の32.8%から今年度調査において44.0%になり、相対的に増加すると見られる。

 年齢別では若年層(18-29歳)、地域別では都市部ほど通勤目的での移動割合の減少幅が大きい結果となった。また、回答者の約25%が1年後もリモートワークによる通勤の減少を想定していた。

 ただし、リモートワーク進展の結果、郊外への引っ越しなどを計画している人は全体の5%未満で、居住地の変更という点に関してCOVID-19による短期的な影響は限定的だと見られる。

 移動手段別年間移動距離においては、「3密」を生み出しやすい電車での移動が大きく減少する見込み。特にラッシュ時の移動が予想される通勤・通学では、電車の回避が顕著となっている。

 電車の代替手段として、3大都市(東京23区、名古屋、大阪)では自転車・徒歩が、中核都市ではマイカー移動が増加すると見られるが、電車が密の状況ではない地方部においては、電車を回避する傾向は見られなかった。

 移動に求めるニーズとしては「安心・安全・3密回避」を求める声が大きく増加し、快適性・時間の正確性・価格を求める声は減少している。元来、時間の正確性を重視していた公的外出(通勤・通学・出張など)においても、「安心・3密回避」がより優先されるとみられる。

 クルマに対するイメージをたずねたところ、「特に意味なし」「単なる移動手段」と回答している無関心層は、前回調査より5.8ポイント上昇し、66.4%を占めた。COVID-19による公共交通回避の意識から自動車保有の上昇が予想されていたが、今回の調査結果では、消費者の意識面からはマイカー回帰へのポジティブな傾向は見られなかった。

 マイカーの将来保有意向では、現在の保有者の継続保有意向は変わらず高く8割近くを占めている一方、現在非保有者の中で「将来も保有しない」と回答した人の割合が2018年調査の56.3%から67.0%と約11ポイント増加し、クルマ離れが加速する傾向が見られた。

 特に若年層と都市部においてその比率が高く、COVID-19がマイカー保有を促進する傾向は見られなかった。保有しない理由として経済的な背景を挙げる人が多く、COVID-19による景気減速の影響がうかがえる結果となった。

 デロイト トーマツ グループは、COVID-19による外出自粛ムードが高まる中で、ポストコロナ/New Normalな暮らしをイメージしながら回答してもらう形で調査を実施したが、結果的には、「公共機関は避けたい、でも自家用車は持ちたくない」という解決策なき回答が散見された。

 元来、第三の選択肢と見られていたシェアリング(自転車・自動車)などの新モビリティについてはまだまだ認知度、使い勝手、衛生面などで消費者を満足させるレベルに至っておらず、利用意向は限定的だった。

【調査概要】
実施時期:2020年6月19日~21日
調査手法:Webによるアンケート調査
調査対象:日本全国 計3,120人(性・年代・地域の構成比は日本人口構成比と同じ)

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