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25年後の「自動運転車」市場は欧米・中国で1000万台超、日本は370万台との予測

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2020/09/12 11:00

 日本も官民一体で自動運転車の普及・開発を進めているものの、市場のけん引役は欧米や中国が中心となりそうだ。

 ITS(高度道路交通システム)は最先端の情報通信技術を用い、人・道路・車両を情報でネットワークすることにより、交通事故や渋滞などの道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムのこと。

 官民ITS構想・ロードマップは2014年の策定以降、毎年改定されており、2020年7月15日に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議が「官民ITS構想・ロードマップ2020」を公表。自動運転システムの市場化・サービス実現期待時期などについて示された。

出典:官民 ITS 構想・ロードマップ 2020(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議)

出典:官民 ITS 構想・ロードマップ 2020
(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議)

 ロードマップによると、自家用車の自動運転について、高速道路において2020年をめどにレベル3、2025年をめどにレベル4の実現を見込んでいる。物流サービスについては、2021年までに高速道路でのトラックの後続有人隊列走行、2020年度以降には高速道路でのトラックの後続車無人隊列走行、2025年度以降には高速道路でのトラックの自動運転についてレベル4の実現をそれぞれ見込んでいる。また、移動サービスについては、2020年までに過疎地など限定地域で無人自動運転移動サービスをレベル4で、2022年以降にはレベル2以上で高速道路でのバスの運転支援・自動運転の実現を見込んでいる。

 なお、自動運転はレベル分けされており、レベル2(部分的運転自動化)は車両走行中にステアリングか加減速操作がコンピュータによりアシストされるという状態で、前車追従機能やレーンキーピングアシスト機能などの運転支援機能が該当する。レベル3(条件付き自動運転)になるとドライバーは運転操作から解放され、システムが自動運転走行を継続できない場合にドライバーが運転する。レベル4(高度自動運転)では、限定された場所や条件下でドライバーはただ乗車していればよい状態になり、ドライバーへ運転移譲を求められない点がレベル3と異なる。レベル5(完全自動運転)は完全な自動化を指し、自動運転が困難な場合は自動運転システムが路肩に停止するなど、人は運転に関与することがなくなる。

 一方、株式会社富士キメラ総研は自動運転車の世界市場を調査し、その結果を9月1日に発表した。調査時期は4月から6月。

 2020年時点の自動運転車の世界市場は、レベル2車両の普及が進んで市場をけん引している。一方、レベル3以上の車両の実現には自動車技術に加え、関連法律やインフラの整備に時間を要することから普及には至っていない。それぞれの世界市場規模(生産台数ベース)はレベル2車両が724万台、レベル3車両が1万台、レベル4・5車両はごくわずかと見込まれている。

出典:2020 自動運転・AIカー市場の将来展望(富士キメラ総研)
出典:2020 自動運転・AIカー市場の将来展望(富士キメラ総研)

 今後を見ると、2025年はレベル2車両が4,766万台に増加し、車線変更サポートや限定条件下でのハンズフリー機能が付随した高機能レベル2の比率が10%を超えると予想されている。また、高速道路限定のレベル3車両が各自動車メーカーから投入されるほか、タクシーなどではレベル4車両も登場すると予想されている。

 2035年には高速道路限定走行ではあるもののレベル3車両の需要が増加し、レベル4・5車両は市販車でも一部で展開されると予想されている。また、2045年にはレベル3車両が高速道路だけでなく市街地走行ができる車両も増加することが見込まれ、2045年の世界市場はレベル2車両が7,133万台、レベル3車両が4,280万台、レベル4・5車両が2,139万台に達すると予想している。

 自動運転レベル3以上車両のエリア別市場(生産台数ベース)は、2020年代には欧州に加えて中国や北米でも普及が進み、2030年の市場規模は日本が83万台、欧州が313万台、北米が145万台、中国が330万台、その他地域が43万台と予測されている。

出典:2020 自動運転・AIカー市場の将来展望(富士キメラ総研)
出典:2020 自動運転・AIカー市場の将来展望(富士キメラ総研)

 その後は、新興国などでも自動車需要の増加とともに市場が拡大し、2045年の市場規模は日本が372万台、欧州が1,175万台、北米が1,350万台、中国が1,915万台、その他地域が1,607万台と予測されている。

 日本も官民一体となって自動運転車の普及・開発を進めているものの、当面は欧州や中国が中心となって世界市場をけん引していきそうだ。

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