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オリックス、米LIHTCシンジケーターの運用資産を買収、預かり資産は150億ドル(約1.6兆円)に

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2020/09/18 08:00

 オリックスは、米国現地法人ORIX Corporation USA傘下のBoston Financial Investment Management(以下、Boston Financial)を通じて、同業大手Boston Capitalが持つLow Income Housing Tax Credit(低所得者用住宅税額控除、LIHTC)を投資対象とする運用資産を取得することについて合意した。

 LIHTCは、1986年に米国連邦政府によって制定された、低所得者用住宅の供給促進を目的とした税額控除プログラム。低所得者向け賃貸住宅の新設・改修を行う民間ディベロッパーは、一定の条件を満たすことで、政府から10年間の税額控除の権利を付与される。

 Boston FinancialやBoston CapitalなどのLIHTCシンジケーターは、LIHTCの権利を売却し資金調達を図りたいディベロッパーと、LIHTCを取得することによって税メリットを享受したい投資家のニーズを引き合わせる。

 ORIX Corporation USAでは、2016年にLIHTC大手シンジケーターのBoston Financialを買収。Boston FinancialはLIHTCマーケットのリーダーとして、現在対象物件1,125件、98,110戸から成る総額77億米国ドル(約8,000億円)のLIHTCファンドを運営している。

 今回の買収によって、Boston Financialの預かり資産残高は、約2倍の150億米国ドル(約1兆6,000億円)と、米国LIHTC業界でトップクラスの資産運用事業者となる。Boston Financialにとっては今後追加の戦略的投資によるさらなるスケールアップを企図できる地位となる。

 オリックスによると、LIHTCマーケットは景気後退の影響を受けにくく、新型コロナウイルス感染症拡大による景気不安という状況下においても安定的な成長が見込まれる、数少ない不動産関連ビジネスのひとつ。過去のリーマンショックによる不動産市況下でも、対象物件の担保権行使率は低水準に留まっていた。入居者の多くは、政府の家賃補助受給者であり、一般の賃貸物件に比べて賃料も抑えられていることから、入居率は高く、賃料収入は直近においても安定的に推移している。

 低所得者向け住宅の継続的な供給のための長期にわたる政府戦略により、ファンドの資産に損失が生じた場合、投資家が負担の義務を負うのではなく、ディベロッパーがその責を負うなどの仕組みがあり、LIHTCプログラムは歴史的にサポートされてきた。

 また米国では法令(地域再投資法)によって、地域金融機関に対して低所得コミュニティへの投融資や金融サービスの提供が求められている。地域金融機関にとっては、LIHTCプログラムへの参画は、法令の要件を充足しつつ、安定的な投資機会の獲得につながることもあり、LIHTCファンドに対する旺盛な投資意欲は引き続き見込まれるとしている。

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