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コロナ禍における中小企業の資金調達とファクタリング

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2020/11/11 12:00

 中小企業の資金調達手段として注目されている「ファクタリング」が、オンラインで手軽に利用できるようになってきました。この連載では、ファクタリング事業を展開するマネーフォワードケッサイ取締役会長の家田 明氏がファクタリングの基礎知識を解説します。

コロナ禍と事業運営の「血液」にあたる運転資金の確保

 現在、わが国において新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、消費や働き方といった人々の各種行動パターンがこれまでと変化してきている。たとえば、消費に関していえば、不要不急の遠出や歓送迎会などの宴会を控えるなどの動きがみられているほか、働き方についても、自宅でパソコン等を使ってオンラインにより会議や打ち合わせを行うといった、いわゆるリモートワーク形式で仕事を進めるケースが増加した。

 このような人々の各種行動パターンの変容に伴い、結果として、多くの企業が売上の変動を余儀なくされている。コロナ禍のもとで、飲食業や観光業などでは多くの企業で売上が減少したと考えられる一方で、業種によっては特定の商品やサービスへの需要が高まったことで売上が伸長した企業もあるであろう。

 売上が減少した場合、人件費等の固定費の支払いは減るわけではないため、支払いのための資金手当てが必要になる。一方、売上が増加した場合でも、売上金は直ちには入ってこない。商品やサービスを提供するための費用の支払いは、売上金の入金の前に行われることが通常である。ここでも支払資金を手当てする必要が生じる。

 企業によっては、大型案件の受注が見込まれても、仕入れ等の支払いが先行するため、多額の資金調達が困難であると判断して、受注を見送るケースが発生することがある。つまり、企業が成長していくうえで、資金調達が困難であることは、成長の大きな障壁となるのである。資金調達が容易に行えることは、企業の成長に欠かせないポイントである。

 このように、企業が商品やサービスを販売していく過程で、事業を運営するための資金が必要となるが、この資金は一般に必要運転資金とか運転資金と呼ばれている。人体にたとえれば、自らの事業を運営させるうえで「血液」にあたるのが運転資金であるといえる。

大・中堅企業の資金調達

 さて、企業がこうした運転資金を含めて資金を調達する場合、事業規模が大きい大・中堅企業と、それ以外の中小企業とでは選択肢のバリエーションに違いがある。

 大・中堅企業の場合には、まず、金融機関からの融資があげられる。業容が大きければ、必要となる資金額も大きくなることが一般的であるため、金融機関はその企業に担当者を割り当てて、その企業の財務部などの資金繰り部署と密接なコミュニケーションを行うことによって、必要な資金を提供している。

 また、大・中堅企業の場合には、金融機関との間でコミットメントラインと呼ばれる融資枠を契約して、必要に応じて迅速に資金を引き出すという仕組みを採用していることも少なくない。また、大・中堅企業は、金融機関からの融資という間接金融に加えて、社債等の発行による資金調達という直接金融の市場にもアクセス可能であることが一般的である。

 一方、大・中堅企業以外の中小企業にとっての資金調達のための選択肢はどうであろうか。


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著者プロフィール

  • 家田 明(イエダ アキラ)

    1988年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、同年に日本銀行に入行。考査局、京都支店、営業局、金融研究所、金融機構局などを経て、2011年から2013年まで、鹿児島支店長。2016年に金融機構局金融高度化センター長に就任し、ITを活用した金融の高度化、リスク管理と内部監査、地域プロジェクト支援、金融機関の働き方など、金融機関のリスク管理・経営管理の高度化を支援。2018年に、マネーフォワードに入社。現在、マネーフォワードグループで企業間後払いサービスや売掛金早期資金化(ファクタリング)サービスなどを手がけるマネーフォワードケッサイ取締役会長。

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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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