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伊藤忠、量子コンピュータ向けソフトウェアのZapata Computingへ出資、国内展開を支援

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2020/11/24 10:00

 伊藤忠商事は、量子コンピュータ向けのソフトウェアを開発する米Zapata Computing, Inc.(以下、Zapata)へ出資。今後、同社の国内展開を支援する。

 Zapataは、量子コンピュータ向けソフトウェア「Orquestra(オーケストラ)」の開発を行うハーバード大学発スタートアップ。Orquestraは、異なる開発言語を変換可能とするコンバーター機能によって、様式や言語の異なる量子コンピュータを併用利用することができる。

 古典コンピュータは、古典物理学に依拠する論理回路で演算を行うコンピュータの総称。量子コンピュータは、量子力学の原理を情報処理に応用したコンピュータで、従来の古典ビット0か1かではなく、0と1の「重ね合わせ状態」も持つ量子ビットにより情報処理が実行される。Orquestraは、従来型古典コンピュータと量子コンピュータの間で演算順序やリソースの振り分けを制御し、古典コンピュータ環境でも量子アルゴリズムをシミュレートさせることが可能なため、量子コンピュータの試験利用や本格導入の検討を効率的に実施することができる。

Zapataが提供する量子コンピュータ向けソフトウェア「Orquestra」の概念図
Zapataが提供する量子コンピュータ向けソフトウェア「Orquestra」の概念図

 伊藤忠によると、近年では第4次産業革命に伴うデータ需要の急増と、従来型古典コンピュータの性能向上の限界によって、半導体の処理能力に依存しない量子コンピュータが注目されている。ハードウェアの分野では、IBMやGoogleなど大手IT企業による開発競争が過熱しているが、現状各社が開発する量子コンピュータは同一の様式や開発言語ではないため、ソフトウェアの領域の需要が高まっている。また、量子コンピュータを利用する演算の大部分を現状は古典コンピュータが補うため、両コンピュータをハイブリッドに運用できる環境が求められている。

 同社のソフトウェアは米国を中心として、石油、ガス、製薬、金融、自動車など、さまざまな業界で導入されている。伊藤忠商事はOrquestraの国内展開を支援するとともに、クラウドを含めた大規模なシステム構築・運用など、ソフトウェアの領域に強みを持つ伊藤忠テクノソリューションズと連携し、量子コンピューティング領域における新サービスの開発や顧客の課題解決に取り組む。

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