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ウェルスナビの新しい挑戦、一般NISAの非課税枠をロボアドバイザーで運用する「おまかせNISA」とは

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2021/01/25 12:00

 ロボアドバイザーを提供するウェルスナビが上場を果たしました。一貫して、働く世代の資産運用のサポートを掲げてきた同社は、今年「おまかせNISA」というサービスを始めます。その設計をリードする執行役員の牛山史朗氏にお話をうかがいました。

2020年12月、東証マザーズ上場

――ロボアドバイザー1本で2015年に設立されたウェルスナビは、2020年12月に東証マザーズ上場を果たしました。市場からも高い評価を受けていますが、ここまでの道のりを振り返っていかがでしょうか。

牛山:ひとつの節目を迎えられてほっとしていますが、引き続き成長していくために、気を引き締めているところです。私が入社した2015年12月に第一種金融商品取引業などの登録を完了し、2016年の7月にロボアドバイザー「WealthNavi」を正式にリリースしてから約5年たちましたが、当初は「こういうサービスにニーズがあるのか、蓋を開けてみないとわからない」という状況でした。ローンチしてみると、「こういうサービスを使いたかった」という声をたくさんいただきましたし、そういった声に支えられてここまで成長することができました。

ウェルスナビ株式会社 執行役員 リサーチ&クオンツ牛山 史朗(うしやま ふみあき)氏金融工学の理論に基づく資産運用を誰でも簡単に行えるようにしたいという想いから、2015年12月にウェルスナビに参画。「WealthNavi」が提供するウェルス・マネジメントの核となる金融アルゴリズムの開発をリードしている。京都大学工学部で人工知能を専攻、京都大学大学院で金融工学を専攻。三菱UFJ信託銀行で個人向けの資産運用アドバイスなどを担当したあと、野村證券にてグローバルな投資戦略の開発などに従事。
ウェルスナビ株式会社 執行役員 リサーチ&クオンツ
牛山 史朗(うしやま ふみあき)氏

金融工学の理論に基づく資産運用を誰でも簡単に行えるようにしたいという想いから、
2015年12月にウェルスナビに参画。「WealthNavi」が提供するウェルス・マネジメントの
核となる金融アルゴリズムの開発をリードしている。京都大学工学部で人工知能を専攻、
京都大学大学院で金融工学を専攻。三菱UFJ信託銀行で個人向けの資産運用アドバイスなどを
担当したあと、野村證券にてグローバルな投資戦略の開発などに従事。

 私たちは投資のサービスを提供している会社ですが、上場企業になるということは、多くの方に投資をしていただく立場にもなるということ。ウェルスナビは働く世代の資産形成のために必要なサービスだと認識していただいている、非常にありがたいことだなと感じています。

――上場によってロボアドバイザーの認知も高まっていると思いますが、ウェルスナビの「働く世代に向けたサービスを提供する」という姿勢は変わらないですね。

牛山:そこはまったくぶれていないですね。働く世代は金融サービスから置き去りにされていたというか、そういった人たちにフォーカスしたサービスがなかなか出てこなかった。実際にご利用いただいている方のほとんどが20代から50代の働く世代なので、本当に強いニーズがあったんだなと思っています。

――ユーザーの属性に何か変化はありますか。

牛山:サービスを開始した頃は、投資経験者の方が9割ぐらいでしたが、年を追うごとに資産運用の経験がない方が増えていて、現在は3割ぐらいが投資の初心者になっています。この流れはこれからも続いていくと思うので、よりわかりやすいメッセージやコンテンツづくりをしていこうと考えています。

――コロナ禍で、資産運用についてあらためて取り組もうと考えた人も多いと思います。野村総研が2020年10~11月に富裕層を対象に行った調査では「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」といった回答が上位に挙がっていました。

牛山:金融商品や資産運用というのは、知識や経験のない人にとっては非常に難しいものに感じると思います。一定以上の資産規模になると、プライベートバンクに資産運用を一任し、相続や事業承継などさまざまな付加価値とセットにしたサービスを受けることができますが、資産運用だけをシンプルにリーズナブルなコストでやりたいという人にとっては、ロボアドバイザーも合理的な選択肢になるかもしれません。どのような資産規模であっても、私たちのサービスが一般投資家の資産運用の選択肢を増やすことにつながれば、とても意味があることだと考えています。

一般NISAの非課税枠をロボアドバイザーで運用する「おまかせNISA」

――ウェルスナビでは新サービス「おまかせNISA」を準備中ということなのですが、これはどのような特徴を持ったサービスなのでしょうか。

牛山:資産運用は一般の人には難しいという話をしましたが、「NISA(少額投資非課税制度)」という制度を理解して、そのルールの中で効率的な運用を行うというのは初心者にとって難易度が高いと言わざるを得ません。ウェルスナビのロボアドバイザーを活用することで、専門的な知識がなくても、手軽にNISAを使って、非課税のメリットを生かした資産運用を可能にしたい。そのためのサービスが「おまかせNISA」です。

――制度としては、NISA(一般・つみたて)とジュニアNISAがあり、金融庁の調査では、2020年9月末時点で、一般NISA口座が1209万、つみたてNISA口座が274万、ジュニアNISAが42万となっていて、一般NISAの口座数が8割を占めています。

※金融庁「NISAとは?」をもとに編集部が作成

※金融庁「NISAとは?」をもとに編集部が作成

牛山:2019年の金融庁の調査によると、一般NISAに関しては約55%の口座でその年1年間まったく買付が行われていませんでした。非課税の枠をお持ちでありながら投資した金額が0円だった。NISAの口座を開いたものの使っていないという人がかなりいるということになります。

――おそらく、初心者は口座を開設するだけで力尽きてしまうのと、売買の経験がないので非課税のありがたさがイメージできないのではと想像します。

牛山:通常、保有していた金融商品を売却したときに、値上がりしていた場合に得られる利益に対してかかる税金は20%、復興特別所得税を含めると、20.315%になります。仮に、売却益が10万円だったとすると2万円は税金で持っていかれる。それがNISAの非課税枠を利用すれば、すべて自分の手もとに残すことができるのです。

 非常にもったいないことですが、活用できていない理由もあって、投資信託協会のアンケート結果を見ると、「どの商品を購入してよいかわからない」という理由が多いのです。

 「おまかせNISA」では、一般NISAの非課税枠の中で、ロボアドバイザーが最適な資産の組み合わせによってリスクを管理した資産運用を行います。資産運用を始めたあとも、保有する金融商品の入れ替えや配分変更などを自分でメンテナンスする必要はなく、積立や分配金の再投資、リバランスなども含めてロボアドバイザーに任せることができます。


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著者プロフィール

  • 井浦 薫(編集部)(イウラ カオル)

    MONEYzineのロゴ下のキャッチコピーが「投資とお金のこと、もっと身近に」に変わりました。
    これから大きく変化していくこの領域で、注目の人やサービス、テクノロジーを紹介していきたいと思います。ウェブだけでなく、MarkeZine BOOKSの書籍編集も担当しています。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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