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「老人福祉・介護事業」倒産は118件で過去最多を更新、コロナ関連倒産も

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2021/01/12 09:00

 東京商工リサーチは、2020年「老人福祉・介護事業」の倒産状況調査の結果を発表した。本調査対象の「老人福祉・介護事業」は、有料老人ホーム、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業などを含む。

 2020年(1-12月)の「老人福祉・介護事業」倒産は118件に達し、過去最多を更新。介護保険法が施行された2000年以降、過去最多だった2017年と2019年の111件を上回った。新型コロナ感染拡大で利用控えなどが進み、経営が悪化した新型コロナ関連倒産も7件発生。人手不足などで経営不振が続く小規模事業者に加え、新型コロナの影響が件数を押し上げた。

 業種別は、「訪問介護事業」が56件(構成比47.4%)と半数近くを占め、深刻なヘルパー不足が影響した。次いで、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」の38件(同32.2%)で、前年から18.7%増加。大手企業との利用者の獲得競争が激しく、倒産増加の一因にもなっている。

 負債総額は140億1,300万円(同13.3%減)と減少。前年に負債53億8,600万円を抱えて民事再生法の適用を申請した有料老人ホーム経営の未来設計の反動減や、負債1億円未満が94件(構成比79.6%)、従業員5人未満79件(同66.9%)など、小・零細事業者を中心に推移したためだ。

 新型コロナで経営が悪化する事業者が多いなか、政府は2021年度の介護報酬をプラス0.7%に改定する方針を示す。2018年度(プラス0.54%)に続くプラス改定で、苦境に陥った介護事業者の経営を下支えすることが期待できるが、1月7日に発令した緊急事態宣言もあり、新型コロナによる利用控えが長期化する恐れがある。2021年も「老人福祉・介護事業」倒産は増勢をたどる可能性が高い。

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