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雇用調整助成金、上場企業の15.6%が活用 受給金額の合計は2,414億5,420万円

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2021/01/16 12:00

 政府は昨年12月、新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置を2月28日まで延長することを決めた。雇用調整助成金は通常、1年の期間(対象期間)内に実施した休業等について受給できるが、特例措置の延長に伴って、1年を超えても引き続き受給できるようになった。1年を超えて引き続き受給できる期間は6月30日まで。また、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県については1月8日から2月7日まで緊急事態宣言が再発出され、政府は雇用調整助成金の再延長も視野に入れているようだ。

 雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動の縮小を余儀なくされた場合、従業員の雇用維持を図るために雇用調整(休業)を実施する事業主に対して休業手当などの一部を助成するための制度。事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となる。雇用調整助成金は特例措置により上限が1人1日あたり1万5,000円に引き上げられており、助成率は企業の規模や事業主の雇用維持の取り組みの有無によって分かれている。大企業の助成率は、解雇等を行わず雇用を維持した場合が4分の3、それ以外の場合が3分の2。中小企業の助成率は、解雇等を行わず雇用を維持した場合が5分の4、それ以外の場合が10分の10となっている。

 雇用調整助成金の受給対象となるのは、新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化・事業活動が縮小している事業主で、最近1カ月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少していること、労使間の協定に基づいて休業などを実施し、休業手当を支払っていることなどが条件になる。また、助成対象になるのは、雇用保険被保険者に対する休業手当などで、学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の労働者の休業手当は「緊急雇用安定助成金」の助成対象となる。なお、雇用調整助成金の支給限度日数は、原則として1年間で100日分、3年で150日分だが、緊急対応期間中(令和2年4月1日~令和3年2月28日)に実施した休業などは、支給限度日数とは別に受給できる。

 一方、東京商工リサーチは2020年12月25日、「上場企業 雇用調整助成金」に関する調査結果を発表した。調査は、2020年4月1日から11月30日にかけて、雇用調整助成金の受給または申請を情報開示した上場企業を対象に集計したもの。

 特例措置が開始された2020年4月から11月までの期間、雇用調整助成金の計上または申請をした上場企業は599社で、全上場企業3,826社の15.6%が雇用調整助成金の特例措置を活用していた。上場599社の雇用調整助成金の計上額の合計は2,414億5,420万円だった。

 業種別では、「製造業」が237社(構成比39.6%)で最も多く、その他では、「小売」が121社(同20.2%)、「サービス」が114社(同19.0%)、「運送業」が41社(同6.8%)、「情報通信」が34社(同5.7%)、「卸売」が30社(同5.0%)などとなった。計上額別では、「1億円未満」が273社(同45.6%)で、「1億円以上5億円未満」が173社(同28.9%)、「10億円以上50億円未満」が48社(同8.0%)で続いた。

 緊急事態宣言が再発出され、経済状況がさらに悪化する可能性がある。雇用維持を促す施策の必要性は引き続き高まりそうだ。

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