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緊急事態宣言が発令されても株価が上昇する理由

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2021/01/20 12:00

 米国大統領選挙の結果が明らかになったのもつかの間、2021年は年初から重要な政治・経済イベントが目白押しです。来年の相場を占う意味で、今後の日程をチェックしておきましょう。

2度目の緊急事態宣言が発令される

 年末から年始にかけて、新型コロナウイルスの新規陽性者数が急増したことを受けて、1月7日、菅首相は新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を再発令しました。対象となるのは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、期限は2月7日までとされましたが、その後、13日に対象地域が拡大され、本稿執筆時点(2020年1月15日)においては11都府県が緊急事態宣言の対象地域に指定されています。新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発令されるのは、昨年4月7日以来の2度目となります(4月16日に全都道府県に対象範囲を拡大)。

 緊急事態宣言の対象となる地域や、営業縮小が要請される業種等に違いはありますが、首都圏を中心に国民の行動・経済活動が制限されるという意味では今回も経済へ与える影響は大きくなるものと想定されます。

1度目の緊急事態宣言時の株価

 株式投資家にとって重要なのは、緊急事態宣言が発言されたことで株価にどのような影響を与えるのかという点ではないでしょうか。

 緊急事態宣言下の株価の動きを予想するうえでは、やはり1度目の緊急事態宣言前後の株価が参考となるかもしれません。下図は、度目の緊急事態宣言が発令された2020年4月7日前後の日経平均株価の推移です。

 やや意外かもしれませんが、株価で見ると欧米でロックダウン(都市封鎖)が広がった3月中旬に底を打っており、4月7日時点では株価は上昇基調にありました。そして、緊急事態宣言下においても株価は上昇を続け、緊急事態宣言明けの6月9日は23,185円の高値をつけました。

 株価が上昇した理由としては、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)、日銀などが迅速に金融緩和を行ったことなどが主たる要因として考えられますが、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化懸念から急速に売り込まれた株式に、ウィズ・コロナ(アフター・コロナ)を見据えた見直し買いが入ったこともその要因のひとつと考えられます。

 下表は日経平均採用銘柄225社のうち、2月17日から4月7日まで(35営業日)のパフォーマンス上位・下位5銘柄が4月7日から5月29日まで(35営業日)にどのようなパフォーマンスを遂げたかを表したものです。

 このランキングを見ると、緊急事態宣言発令前に下げ渋っていた、または上昇していた銘柄が発令後に売り込まれ、逆に発令前に大きく下げていた銘柄に見直し買いが入っていたことがわかります。つまり、緊急事態宣言が出される前に、株式市場では業績が悪化しそうな業種(たとえば、日本以上に感染拡大が広がっていた海外売上比率が高い企業)が先行して売られ、実際に宣言が出された後は、織り込み済みということで反発していたことになります。

 一方で、逃避的に資金が集まっていた内需系の企業は、良くも悪くも業績への大きな影響はないと捉えられ、反発局面において選好されにくかったと言えるでしょう。


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著者プロフィール

  • 多田 幸大(タダ コウダイ)

    eワラント証券株式会社 投資情報室長

    一橋大学法学部卒業。事業会社で法人営業に従事した後、2016年にeワラント証券に入社。
    投資初心者にもわかりやすくをモットーにレポート執筆やセミナー講演を行っている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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