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宿泊業の倒産件数、昨年は前年比1.5倍の118件、増加率が高いのは「京都」「長野」「東京」

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2021/01/23 11:00

 観光庁が2020年12月25日に発表した「宿泊旅行統計調査(2020年10月は第2次速報、2020年11月は第1次速報)」によると、全体の延べ宿泊者数は2020年10月が前年同月比35.2%減の3,241万人泊、同年11月が同30.2%減の3,466万人泊だった。過去の推移は、2019年8月は約6,320万人泊で推移していたが、2020年5月に約780万人泊まで落ち込んでいた。

 延べ宿泊者数の内訳を見ると、日本人延べ宿泊者数は2020年10月が前年同月比19.2%減の3,215万人泊で、同年11月が同15.7%減の3,421万人泊。外国人延べ宿泊者数は同年10月が同97.4%減の27万人泊で、同年11月が同95.1%減の44万人泊にとどまった。

 客室稼働率の推移は、2020年10月が前年同月比20.8ポイント減の42.8%、同年11月が同19.5ポイント減の46.1%だった。施設タイプ別では、同年10月は旅館が同3.0ポイント減の36.5%、リゾートホテルが同12.8ポイント減の45.0%、ビジネスホテルが同26.3ポイント減の51.0%、シティホテルが同36.3ポイント減の44.3%、簡易宿所が同17.3ポイント減の15.4%。

 11月は旅館が同2.8ポイント減の39.1%、リゾートホテルが同10.4ポイント減の47.1%、ビジネスホテルが同25.1ポイント減の54.8%、シティホテルが同31.9ポイント減の50.6%、簡易宿所が同18.6ポイント減の15.7%だった。前年同月と比較した施設タイプ別の客室稼働率は、旅館とリゾートホテルで減少幅が縮小しているものの、ビジネスホテルやシティホテルは回復が遅れているようだ。

 一方、東京商工リサーチは1月12日、「宿泊業の倒産動向調査 2020年1~12月」の結果を発表した。

 2020年1月から12月に発生した宿泊業の倒産件数は118件で前年の75件から急増し、2013年以来、7年ぶりに100件台となった。過去の推移は、2008年は145件に達したがその後は減少傾向にあり、2019年は2001年以降で最も少なかった。

 倒産の原因別では「販売不振」が79件、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が22件で、不況型倒産が全体の約9割を占めた。そのほかは、代表者の死亡など偶発的原因による「その他」が6件など。

 地区別で最も多かったのが「中部」の31件で、以下、「関東」が24件、「近畿」が21件、「東北」が15件、「九州」が11件、「中国」が7件、「北陸」が5件、「北海道」が3件、「四国」が1件だった。前年比では、「近畿」が200.0%増で増加率が最も高く、「中部」が106.6%増、「九州」が83.3%増、「北陸」が66.6%増、「関東」が41.1%増で、9地区中6地区で増加した。「北海道」と「中国」は前年と同数で、減少したのは「東北」の11.7%減だけだった。

 都道府県別は39都道府県で発生し、「長野」の12件が最多で、以下、「東京」が11件、「静岡」が9件、「三重」「京都」「福島」が各5件、「大阪」「兵庫」「奈良」「新潟」が各4件で続いた。

 件数が5件以上の都道府県のうち、前年比の増加率が高かったのは「京都」の400.0%増(前年1件から5件に増加)、「長野」の300.0%増(同3件から12件に増加)、「東京」の83.3%増(同件6から11件に増加)で、3都府県で際立った。これについて同社は、国内外からの訪客が多数にのぼる京都や東京、温泉地やスキー場など多数の観光地を抱える長野でコロナ禍の影響が大きかったと指摘している。

 足元では新型コロナの感染拡大が続いており、移動の自粛が求められている。GoToトラベルキャンペーンで回復の兆しが見られたものの、宿泊業界は再び苦境に追い込まれる可能性がありそうだ。

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