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老人福祉・介護事業、倒産件数が過去最多を更新 新型コロナ関連倒産の発生も要因

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2021/01/23 12:00

 介護保険は、65歳以上の人が該当する「第1号被保険者」と、40歳から64歳までの医療保険加入者が該当する「第2号被保険者」に分類される。第1号被保険者は原因を問わず、要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスが受けられる。第2号被保険者は、末期がんや関節リウマチ、骨折を伴う骨粗鬆症など、加齢に伴う特定疾病が原因で、要介護・要支援認定を受けたときに介護サービスが受けられる。

 厚生労働省が公表している「介護保険事業状況報告(令和2年10月分 暫定版)」によると、令和2年10月末時点の介護保険の第1号被保険者数は3,571万人、要介護・要支援認定者数は678万2,000人で、そのうち男性が215万人、女性が463万2,000人だった。

 前年の令和1年10月末時点では、第1号被保険者数は3,541万人、要介護・要支援認定者数は668万1,000人で、そのうち男性が210万9,000人、女性が457万2,000人だった。

 保険給付決定状況(現物給付8月サービス分、償還給付3月支出決定分)は、高額介護(介護予防)サービス費、高額医療合算介護(介護予防)サービス費、特定入所者介護(介護予防)サービス費を含む保険給付費の総額は8,598億円で、前年同月の8,295億円から増加した。要介護・要支援認定者数が増加する中、介護保険からの給付金額も増加傾向にあるようだ。

 一方、東京商工リサーチが1月8日に発表した、「2020年 老人福祉・介護事業の倒産状況調査」の結果によると、2020年1月から12月に発生した老人福祉・介護事業の倒産は118件で、介護保険法が施行された2000年以降で過去最多を更新した。これまで過去最多だったのは2017年と2019年の111件だった。また、新型コロナ関連倒産は7件判明した。2020年2月から10月までは、国や自治体、金融機関などのコロナ支援に加え、介護事業者への臨時特例などの効果で、新型コロナ関連倒産は3件にとどまっていたが、11月以降は4件に増えている。

 業種別では、深刻なヘルパー不足が影響した「訪問介護事業」が56件(構成比47.4%)で最も多かった。次いで多かったのは大手企業との利用者の獲得競争が激しいデイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」の38件で、「有料老人ホーム」が10件、「その他」が14件だった。

 負債総額は前年比13.3%減の140億1,300万円だった。2020年は負債1億円未満の倒産が94件(構成比79.6%)、従業員5人未満の倒産が79件(同66.9%)など、小・零細事業者を中心に推移したため、負債総額は前年から減少した。また、前年は有料老人ホームを経営する事業者が、負債53億8,600万円を抱えて民事再生法の適用を申請しており、大型倒産の反動による減少も影響した。

 老人福祉・介護事業では、利用者と介護保険からの給付が増加しているものの、慢性的な人手不足や事業者間の競争激化といった経営課題がある。さらに、2020年は新型コロナの影響で、感染防止対策の強化など新たな費用負担が発生しており、老人福祉・介護事業者の経営は厳しさを増しているようだ。

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