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居酒屋の倒産件数、2020年度は過去最多に 大手各社は業態転換で生き残り図る

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2021/02/20 12:00

 東京商工リサーチが2月8日に発表した「2020年度 居酒屋の倒産動向調査」の結果によると、2020年度の居酒屋の倒産件数(負債1,000万円以上)が、2020年4月から2021年1月までの10カ月間で145件発生し、前年同期を16.9%上回った。このままのペースで推移すると、2001年度以降で最多だった2019年度の149件を2月にも上回り、過去最多を更新するとみられる。

 2019年度は深刻な人手不足で人件費が高騰し、居酒屋の倒産件数は2019年度10-12月期が39件(前年同期比2.6%増)、1-3月期が39件(同44.4%増)と増加傾向にあった。そこに新型コロナ感染症が拡大し、休業や時短営業などの要請で2020年度4-6月期が46件(同35.2%増)、7-9月期が46件(同24.3%増)、10-12月期が43件(同10.2%増)と、増勢ペースを強めている。

 倒産の原因別では、「販売不振」が127件(前年同期比17.5%増)で最も多かった。そのほかでは、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」と代表者の病気や死亡による「その他」が各5件、資産背景が脆弱だったり、甘い事業計画で創業したりするなど、事業基盤を確立しないまま事業継続を断念した「事業上の失敗」が4件だった。また、資本金別では「1,000万円未満」が136件、負債額別では「1億円未満」が131件、従業員数別では「10人未満」が136件になるなど、小・零細規模の倒産が9割以上を占めた。

 そんな中、ワタミ株式会社は2020年12月、外食事業における新たな基幹事業・新ブランドとして、高品質な焼肉をリーズナブルな価格で提供する焼肉業態「焼肉の和民」の展開を、関西地区を中心に始めた。居酒屋からの業態転換を図る。特急レーンや配膳ロボットを採用してスタッフとの接触を減らし、コロナ禍でも安心して利用できる環境を整えた。

 また、チムニー株式会社がホームページで公表している「出店動向」によると、1月には海鮮居酒屋 はなの舞の3店舗と海鮮料理 さかなや道場の4店舗を、大衆食堂 安べゑの6店舗、焼肉 牛星の1店舗に業態転換した。同様の業態転換は2020年12月が8店舗、同11月が14店舗、同10月が5店舗、同9月が3店舗などとなっており、コロナ禍で居酒屋からの業態転換を進めているようだ。

 居酒屋業態はコロナ感染症が拡大する中、時短営業の要請もあって厳しい経営環境が続いている。資本力のある大手企業は業態転換でコロナ禍を乗り切れそうだが、資本力に乏しい中小の事業者は、難しい選択を迫られるケースが増えているようだ。

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