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急速に進む「手形離れ」、2020年の約束手形の交換高はピーク時の3%に

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2021/02/26 10:00

 経済産業省は2月19日、2026年をめどに約束手形の利用廃止を求める方針を明らかにした。全銀協は2023年度までの5年間で、手形や小切手などの交換枚数の約6割を電子的な方法に移行する目標を立てている。残る4割の手形や小切手は、顧客から取立を依頼された銀行がイメージデータに変換、全銀協が設置予定の「電子交換所」に送信して決済する方向で準備を進めている。

 東京商工リサーチは、2020年の「手形・でんさい」動向調査の結果を発表した。今回の調査は、全国銀行協会の全国手形交換高・不渡手形実数・取引停止処分(1960年~)と、でんさいネット請求等取扱高(2013年2月~)をもとに分析したもの。「でんさいネット」は、全国銀行協会が設立した電子債権記録機関「全銀電子債権ネットワーク」の通称である。

 2020年の約束手形の交換高は134兆2,534億円(前年比27.0%減)で、ピークだった1990年(4,797兆2,906億円)のわずか3%(97.2%減)にまで減少している。

 手形交換高は2016年に増加したが、その後は再び減少。一方、電子記録債権「でんさい」の「でんさい額(発生記録請求額)」は2013年2月の開始以来、増加は緩やかで、手形交換高とでんさい額の構成比は、2013年は手形99.71%、でんさい0.29%と手形が圧倒的だった。その後、2020年の手形交換高134兆2,534億円に対し、でんさいは22兆1,162億円で、約6分の1にとどまる。

 手形は半年に2回決済できず、不渡りを出すと銀行取引停止処分を受ける。「でんさい」も同じ罰則があるが、現金決済の遅延に対する罰則はない。東京商工リサーチは、手形の利用廃止を促す一方で、商取引での現金決済による受取側の権利保護の検討も必要だとしている、一方、「でんさい」の普及が進んでいない中での約束手形の利用廃止は、中小企業への資金繰りや電子化対応の支援などに課題を残す可能性もあると課題を指摘している。

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