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ゲームストップの株はなぜ急騰したのか、コールオプションのしくみと日本でも起きる可能性を考える

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2021/03/10 12:00

 米国では、ヘッジファンドが空売りした銘柄に、ネット掲示板を通じて連携した多くの個人投資家が買い注文を出して株価が急騰。ヘッジファンドが窮地に追い込まれる事態が発生しました。eワラント証券の多田氏が、コールオプションの仕組みをもとに今回の背景を解説します。

ゲームストップ株急騰の経緯と仕組み

 1月後半に、米国株式市場でゲーム小売りのゲームストップ(GME)の株価が急騰し話題にりました。28日には一時483米ドルとなる高値を記録しました。

 昨年末時点では18.8米ドル程度でしたので、1カ月足らずの間に株価が25倍以上に上昇したことになります。ゲームストップに空売りを仕掛けていたヘッジファンドに対抗して個人投資家が株価を押し上げたと言われていますが、単純に株式を買っただけではこのようなことはなかなか起こりえません。

 下図は昨年12月からのゲームストップ株の値動きと出来高を表したものです。1月14日以降に出来高を伴って株価が大きく上昇し、22日以降にさらにその勢いを強めています。26日における同株の売買代金は180億米ドル(約1兆9千億円)と東証一部の1日の売買代金に匹敵する取引となりました。その後は、空売りファンド側が白旗を上げたことや、取引アプリの運営会社がゲームストップ株の取引等に制限を加えたことで落ち着きを取り戻していますが、2月末にはまた大幅上昇を見せており、今後もこの騒動が燻り続けそうな予感があります。

 今回、ゲームストップ株が急騰した要因としては、個人投資家が協調してゲームストップを買い上げたことが要因と見られています。空売りを得意とするファンドがゲームストップに空売りを仕掛けたことに対し、SNS等で連携をした個人投資家がゲームストップ株を一斉に買い付けました。ただ、いくら投資大国米国で個人投資家が協調したとはいえ個別株を買い付けただけでは、東証全体に匹敵する規模まで売買代金が膨らむことはなかったでしょう。

 実は投資家は個別株だけではなく、ゲームストップ株を対象とするコールオプション、しかも相場水準よりもはるかに権利行使価格が高い(ファー・アウト・オブ・ザ・マネーの)コールオプションを買い付けていたようです。


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著者プロフィール

  • 多田 幸大(タダ コウダイ)

    eワラント証券株式会社 投資情報室長

    一橋大学法学部卒業。事業会社で法人営業に従事した後、2016年にeワラント証券に入社。
    投資初心者にもわかりやすくをモットーにレポート執筆やセミナー講演を行っている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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