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コロナ禍で打撃を受ける人材サービス各社の従業員年収ランキング

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  今回は人材派遣や業務請負、転職紹介といったビジネスを手がける人材サービス各社の「従業員年収ランキング」を紹介する。

コロナ禍の影響を受ける人材サービス業界

 コロナ禍で世界の経済・企業活動が低迷。その影響は、人材サービス業界にも及んでいる。ランスタッド(蘭)、アデコ(スイス)、マンパワーグループ(米)の世界ビック3も、20年売上高は前年比マイナスだった。国内企業も同様の傾向である。

 人材サービス会社は、粗利益率に相当するマージン率を公表することになっている。派遣の依頼を受けた企業から得る収入と、派遣当事者に支払った給料をベースに算出する。会社側が受け取る割合といっていいだろう。算出方法による違いがあるようだが、多くは20~30%である。

 つまり、派遣社員への人件費負担もあって粗利益率は低く、基本的には大幅なアップは見込めないということ。逆にいえば、原価率が高止まりしているため、人材サービス会社にとっては、業務の多様化を含めた経営効率の実現が、事業継続・発展のキーポイントになるということだ。

 契約社員などへの支給額(労務費)を含めた製造原価を明らかにしている、アウトソーシング(2427)と日総工産(6569)を例にとって、人材サービス会社の収支構造と給与の推移を見ておこう。

 メーカーへの技術者派遣や請負業務を中心に展開しているアウトソーシングは、積極的なM&A(企業の合併・買収)や海外進出などもあって、20年も業績を拡大した。米軍施設におけるサービス事業や自治体の水道検針業務なども受託。年間平均給与がおよそ150万円の差になっている「内勤社員」と「外勤社員」の平均給与を、別々に開示しているのも他社と異なる。内勤社員は営業・事務従事者や管理職などで、外勤社員は顧客メーカーにおける現場作業従事者(派遣契約社員を含む)としている。

 同社の収支(単体ベース)を「派遣料1万円」でたとえた表をみてもらおう。原価は7500円前後、経費(販売費及び管理費)は3000円前後である。

 2期連続の営業赤字(グループ決算は黒字)はともかく、注目したいのは原価に含まれる「労務費」。主に派遣社員への支払給与と推定されるが、1万円の収入に対して7000円内外に相当。経費に計上している従業員給与のほぼ10倍である。人材募集費負担も軽くはない。

 アウトソーシングは、欧州や南米など海外売上高の比重が高いグローバル企業だ。業界では他社に先駆けIFRS(国際会計基準)を採用し、グループ全体の人件費関連の支給額も明らかにしている。それによれば、報酬・給与・賞与や法定福利費などの合計額は、連結売上高の約75%に相当している。表にした単体ベースもそうだが、グループ全体でも人件費の割合が高いことは明らかだろう。

 製造業派遣・請負の日総工産の場合は、単体ベースでも営業黒字。労務費や寮の賃料などを含めた原価はアウトソーシングと比較して高くついているが、経費の割合を低く抑えていることで、黒字を実現しているようだ。


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