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SMBCグループ、2030年に温室効果ガス排出を実質ゼロに

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2021/05/13 09:00

 三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)は、気候変動問題への対策を強化するため、気候変動に関する姿勢を明確化し、具体的な行動計画を策定。あわせて、石炭火力発電への対応方針を見直した。

 SMBCグループは、2020年4月に公表したサステナビリティに関する長期計画「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」 (以下、GG2030)において気候変動関連の施策を公表しているが、今回、気候変動関連の施策を拡充。気候変動対策ロードマップとアクションプランを施策として追加した。

 SMBCグループは、2050年カーボンニュートラルに向けた気候変動対策の長期行動計画を「気候変動対策ロードマップ」と称して、短期的、中期的に実行する具体的な施策(アクションプラン)を定めている。その第一段階として、現中期経営計画期間中に着手、実行する施策パッケージを「アクションプランSTEP1」として公表した。

 アクションプランSTEP1では、以下の5つの施策に着手し、実行する。

1. 投融資ポートフォリオのGHG排出量把握と中長期目標の設定

 2050年までの長期的な気候変動対応を進めていく上では、SMBCグループの投融資ポートフォリオにおけるGHG(温室効果ガス)排出量(GHGプロトコルにおける“Scope3”(※))の把握とその中長期目標の設定が重要となる。SMBCグループは投融資ポートフォリオのGHG排出量の把握と中長期目標を設定し、脱炭素社会を実現するため、顧客との対話(エンゲージメント)を行う。なお、投融資ポートフォリオのGHG排出量の把握はGHG排出量の大きい業種(石油・ガス、電力)から始め、順次対象を広げていく。

※研究機関、政府機関、企業、NGOなどが参加している国際的な組織「GHGプロトコルイニシアチブ」が策定したGHG排出量の算定と報告の基準。企業活動において排出されるGHGは以下3つのカテゴリーに分類される。

Scope1:事業者自らの直接排出
Scope2:他社から供給された電気等の使用に伴う間接排出
Scope3:事業者の活動に関連する他社の排出(金融機関の場合は投融資先の排出)

2. SMBCグループ全体のGHG排出量削減に向けた取組の加速

 SMBCグループはGG2030において「三井住友銀行が排出するCO2を2030年に2018年度対比30%削減する」と公表しているが、この取組を加速させ、SMBCグループが排出するGHG(Scope1 および Scope2)を2030年において実質ゼロにする。

3. 気候変動対策・脱炭素化ビジネスの強化

 SMBCグループはGG2030において「2020年度から2029年度のグリーンファイナンス実行額10兆円」という目標を設定しているが、今回、対象を再定義した上で目標を上方修正した。2020年度から2029年度のグリーンファイナンスとサステナビリティに資するファイナンス実行額を30兆円(うちグリーンファイナンス20兆円)とする。

4. 気候変動に関するガバナンス・経営管理体制の高度化

 今回の気候変動問題への対策強化に先立ち、2021年4月から新たにグループCxOのひとつとしてグループCSuO(Chief Sustainability Officer)を設置し、気候変動問題を含むサステナビリティ全般の取組を統括・推進する。また、気候変動問題等に対する取締役会の監督機能を強化するため、取締役会の内部委員会としてサステナビリティ委員会を設置する検討も進めている。

5. リスク管理体制の強化

 SMBCグループでは、気候変動に係るリスクをトップリスクのひとつに位置付けた上で、移行リスク・物理的リスクに関するシナリオ分析や、気候変動に影響を与える可能性が高いセクター・事業に対する方針の策定などを進めてきた。引き続き、セクター・事業に対する方針の高度化やシナリオ分析の拡充など、リスク管理体制を継続的な強化し、脱炭素社会への移行に向けた顧客への支援を通じて、リスクの低減に努める。

 これら5つの施策の概要について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の項目に沿って整理したものが以下の図表となる。今後はTCFDレポート等を通じて、これら施策の進捗について公表する。

 また、SMBCグループは石炭火力発電への対応方針を見直し、石炭火力発電所の新設および拡張案件への支援は行なわない方針だ。この方針は、SMBCグループ主要子会社(三井住友銀行、 SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券)において適用される。2021年6月1日から運用を開始するが、外部環境を踏まえ、今後もプロアクティブに見直しを検討する。

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