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雇用調整助成金、特例措置が6月30日まで延長 上場企業は4月末までに18.6%・716社が申請

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2021/06/12 12:00

 新型コロナ感染症拡大にともない講じられてきた「雇用調整助成金の特例措置」が4月30日に期限を迎えたのに伴い、一部内容を変更して6月30日まで延長された。雇用調整助成金は、新型コロナ感染症の影響で事業活動の縮小を余儀なくされ、従業員の雇用維持を図るために「労使間の協定」に基づいて「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するもの。事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となる。

 雇用調整助成金の特例措置では、新型コロナ感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、1日1人当たり1万5,000円を上限に給付される。昨年4月に始まり、現在(5月・6月)の原則的な給付額は1万3,500円で、売上等が30%以上減少しているケースや、緊急事態措置もしくはまん延防止等重点措置の対象区域の場合には上限が1万5,000円になる。

 助成率は企業の規模や解雇の有無によって異なり、原則的な助成率は、中小企業が5分の4で解雇等を行っていない場合には10分の9、大企業が3分の2で解雇等を行っていない場合には4分の3などとなっている。また、5月28日には新型コロナ感染症の拡大状況を鑑み、7月も見直しを進めたうえで雇用調整助成金の特例措置を継続する方針を示している。

 このような中、東京商工リサーチは5月27日、「第6回 上場企業 雇用調整助成金調査」の結果を発表した。

 4月末までに決算資料で雇用調整助成金を計上、または申請が判明した上場企業は716社で、上場企業全体の18.6%にあたることがわかった。前回調査の3月末は703社で、1カ月間で13社増えた。716社の雇用調整助成金の計上額は合計3,944億7,530万円に達し、3月末から310億7,550万円増加。5月末までの開示分では、計上額が4,000億円を超える見通しだ。

 雇用調整助成金を計上、または申請した716社を業種別に見ると、「製造」が278社(計上額811億6,550万円)で最も多かった。そのほかでは、観光を含む「サービス」が141社(同833億3,140万円)、「小売」が136社(同669億9,430万円)、「運送」(同1,305億8,520万円)と「卸売」(105億7,170万円)がそれぞれ44社で続いた。

 これまでの推移を見ると、当初は昨春の緊急事態宣言で休業を余儀なくされたメーカーや小売で雇用調整助成金の申請が増えたが、長引くコロナ禍の影響はサービス業や観光、外食、航空・鉄道などでも深刻さを増し、追加計上が相次いでいる。また、雇用調整助成金計上額の上位10社の内訳は、6社が「運送業」、3社が「サービス(すべて観光関連)」、1社が「小売(外食)」だった。

 新型コロナ感染症の終息が見通せない中、需要の改善が見込みにくい業種を中心に業績の回復が遅れているようだ。

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