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2021年上半期の倒産件数は過去最少 一方、会社の破産時には社長の7割が個人破産に

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2021/08/28 11:00

 帝国データバンクの発表によると、2021年上半期(1月~6月)の倒産件数は前年同期比21.8%減の3,083件で、前年同期を大きく下回り半期ベースで過去最少となった。倒産件数の推移を見ると、2018年上半期が4,029件、2018年下半期が4,043件、2019年上半期が3,998件、2019年下半期が4,356件、2020年上半期が3,943件、2020年下半期が3,866件で、直近では2019年下半期をピークに減少傾向が続いている。

 倒産件数を業種別に見ると、建設業が530件(前年同期634件)、製造業が324件(同432件)、卸売業が397件(同575件)、小売業が719件(同935件)、運輸・通信業が143件(同132件)、サービス業が709件(同933件)、不動産業が137件(同108件)、その他が124件(同194件)で、7業種中5業種で前年同期を下回った。なかでも建設業と製造業、卸売業では、半期ベースで過去最少となった。

 倒産の主因別では、販売不振・輸出不振・売掛金回収難・不良債権の累積・業界不振が理由の「不況型倒産」は2,341件で、全体の75.9%を占めた。同社は倒産件数が少なかった理由として、コロナ対応の実質無利子・無担保の特別融資や補助金などの各種資金繰り支援の効果が持続しているためと見ている。

 一方、東京商工リサーチは8月16日、「破産会社の社長破産率」に関する調査結果を発表した。調査は、2020年度(2020年4月~2021年3月)に官報に破産開始決定が掲載された法人(株式会社・有限会社・合同会社)5,552社と、社長個人のデータをもとに実施した。

 2020年度に破産した法人5,552社のうち、社長個人も破産したのは3,789件で、全体の68.2%を占めた。社長個人の破産開始決定の時期は、法人と同時が3,445件で90.9%に達し、大半の社長が会社と同時に個人も破産開始決定を受けていた。

 破産会社で社長も個人破産した「社長破産会社」(銀行取引停止、民事再生法などの申請後、破産に切り替えた会社を除く3,608件を対象)と、2020年度の全倒産(負債1,000万円以上)の構成比を比較したところ、「建設業」では社長破産会社の構成比が17.68%、全倒産の構成比が15.59%で、比率差がプラス2.09ポイントで最も大きかった。

 同社は、建設業は設備投資が重く、社長個人の資産投下や担保提供が負担になっていると分析している。他方、サービス業ほかは社長破産会社の構成比が29.79%、全倒産の構成比が33.98%で、比率差がマイナス4.19ポイントになった。これについて同社は、サービス業などは小・零細規模で、個人企業の飲食業などが多く、社長破産会社の対象から個人企業が除外された影響が大きいとしている。

 企業経営では、担保や個人保証に依存した融資が多く、倒産の際には社長個人も破産に追い込まれるケースが大半のようだ。

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