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災害時の「共助力」、60代女性が高スコア

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2021/08/30 10:00

 リクルートの住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターは、昨今多発する自然災害から身を守り、自分らしく安心な生活をおくるためには、住まいの防災など“自助”の対策を進めるだけではなく、近所の人などと助けあう“共助”の意識を高めることが大切と考え、“共助力”に関する実態調査を実施した。

 調査では、災害発生時に人を“助ける力”と、人から“助けられる力”を「共助力」と定義。 地域に「知人がいるか」をベースにした複数の質問から、個人の共助力を5点満点で算出した。結果、全体の平均スコアはわずか1.46。5点は、近所と徒歩園それぞれに知人がおり、災害時にその知人と互いに助け合えること、2点は、知人の家もしくは連絡先を互いに知っている状態を表している。

 スコア別の内訳では1未満が4割を占めており、そのほとんどが地域に知人が全くいないという回答だった。

 そこで、共助力スコアが4以上の7%、約3000人に着目し、共助力の高い人が暮らす街の特徴を分析した。「住んでいる街のいいところはどこか」という設問で、共助力スコア4以上の高得点者が評価した「街の魅力」計35項目を、回答者全体と比べてより評価が高い順にランキングすると、1位は「地域に顔見知りや知り合いができやすい」という結果になった。

 2位以下には、「散歩・ジョギングしやすい」のほか、公共施設、公園、運動施設など地域の人々が集まるスポットの充実や、子育て、教育環境の充実がランクイン。 4位に「街の住民がその街のことを好きそう」が入っており、住民が日々の散歩や施設利用、子育て等を通して自然と顔見知りになることで、街や近所の人への愛着が湧くという循環がうかがえる。

 性別では男性より女性、年代別では若年層より年配層で、共助力スコア4以上の高得点者(以下、高得点者と称する)の出現率が高くなっている。男性は、一般的に現役世代といえる20代~50代の高得点者率が3~4%と極めて低く、60代以上でも全体(7%)を下回っている。

 一方、女性は年代が増すほど高得点者が増えており、60代以上では15%を占め、全体(7%)を大きく上回った。 60代以上になると、仕事や子育てに使う時間が減る代わりに、地域活動に使える時間や、地域の公共施設、運動施設などの活用機会が増え、顔見知りができやすいことが想定される。また、現在60代以上の女性は主婦層が過半数を占めており、地域交流を担ってきた世代であることも、共助力が高い理由の一つだと考えられる。

 ライフステージ別では、シングルより夫婦、女性に関しては夫婦のみより子どものいる夫婦の方が、共助力スコア4以上の高得点者率が高くなっている。子育て層は、地域の子ども会やお祭り、PTA活動などへの参加、子どもの友人家族との付き合いなどで、近所に自然と顔見知りが増えることが考えられる。また、どの年代、ライフステージでも男性より女性の方が高得点者率が高いことを考えると、地域コミュニティの中心が女性であることが見受けられ、男性の参加が期待される。

【調査概要】

調査目的:関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)の街(駅)について、街の「共助力」を明らかにすること

調査対象:関東圏にある各駅に在住していると回答し、各駅から7km以内もしくは駅と同一の市区町村に在住の20歳以上の男女

調査方法:インターネットによるアンケート調査1次調査にて、住んでいる街が好きかを調査。2次調査にて1次調査回答者の一部に対して、「共助力」などについて調査した

調査期間:1次調査(スクリーニング調査):2021年1月14日(木)~2021年1月25日(月)、2次調査(本調査):2021年1月27日(水)~2021年2月1日(月)

有効回答数:
●1次調査対象数:1,619,998人 1次調査回答数:388,145人(うち各調査会社のパネル構成比を前回(2020年)調査にそろえた結果327,004人を分析対象とした)

●2次調査対象数:57,185人  2次調査有効回答数:42,947人​

<「共助力スコア」の算出方法>
「ご近所」(自宅から半径400m圏内)と「徒歩圏」(自宅から半径400m〜4km圏内)のそれぞれの距離圏で当てはまる項目を選択方式で回答してもらい、各項目(①助ける力✕ご近所 ②助ける力✕徒歩圏 ③助けられる力✕ご近所 ④助けられる力✕徒歩圏)の合計の平均値でスコアを算出。

<共助力スコア4以上の高得点者に聞いた「自身が暮らす街の魅力」の算出方法>
街の魅力を示す以下35項目に対して当てはまるかどうかを5段階の選択方式で回答してもらい、「共助力総合スコア」4以上の高得点者の平均値と、全体の平均値の差分が大きい項目から順に、上位10項目をランキングで掲出。

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