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コロナ禍直撃で苦戦のレジャー関連企業の従業員年収

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 今回はコロナ禍の直撃を受け苦戦を強いられているレジャー関連企業の従業員年収を取り上げる

逆風直撃のレジャー関連企業

 新型コロナウィルス感染拡大防止のため営業休止や時間短縮、入場人員制限を余儀なくされたこともあり、レジャー関連企業の経営環境は厳しい状況にある。テーマパーク、遊園地、児童向け遊戯施設、ゲームセンター、カラオケ、映画館、フィットネスクラブなど、屋外型も屋内型も土砂降り状態といっても過言ではない。

 富士急行(9010)が運営する富士急ハイランドのジェットコースターでは、利用客が骨折する事故があったことが明らかになった。

 屋根付き球場(全天候型多目的スタジアム)や商業施設、ホテルなどを手がけている東京ドームが三井不動産(8801)の傘下に入り、株式市場から退場したのもコロナ禍の影響とは無縁ではない。遊園地の運営に加え川崎・船橋競馬場を所有するよみうりランドは、読売新聞グループ本社の子会社になり、こちらも上場廃止した。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の親会社であるコムキャスト(売上規模約11兆円)やウォルト・ディズニー(同7兆円)の米国勢も、テーマパーク事業の不振は明白。コロナ禍の影響は、世界規模ということだ。

 ウォルト・ディズニーとライセンス契約(資本関係はない)を結び、東京ディスニーリゾート(TDR)を運営しているオリエンタルランド(4661)も、大きな打撃を受けている。

 21年3月期は、上場来初めての赤字決算だった。13年3月期から維持していた売上高営業利益率20%超という、破格の記録もストップ。22年3月期についても好転の見通しが立たないというのが現実のようだ。

 経営環境の悪化にともない、ボーナスカットなど人件費抑制に踏み切った。人件費総額は、連結ベースで640億円強(前期比360億円減)、単体ベースで475億円(同310億円減)に削減。その結果、従業員平均年収も大幅ダウンとなった。21年3月期451万円は、前期708万円からは、260万円に迫る大幅減である。社内取締役の平均年俸も、5,425万円から3,475万円とおよそ2,000万円のマイナスだった。

 オリエンタルランドはこれまで、事業の拡大にともない毎年のようにスタッフを増員。最近では、臨時雇用者の一部を無期雇用の正社員にしたり、テーマパークオペレーション社員制度を新設したりするなど、従業員を増やしてきた。

 社歴が浅い従業員が増えれば、平均年収はダウン傾向を示すのが一般的であり、実際、オリエンタルランドの場合、10年3月期の818万円が過去最高額である。同時期の従業員数は、連結、単体ベースとも21年3月期に比べて半分以下だった。

 オリエンタルランドの運営するTDRは、毎年のように3,000万人前後(コロナ禍の21年3月期は756万人)を集客してきたが、リピーターを獲得していることで実現してきた。訪問するたびに新しい出会いがあるからリピーターになる、とも言えるだろう。そのため、TDRは新しい施設を導入することに注力してきた。

 表にあるTDRの資産価値に注目してほしい。企業の施設や工場の資産価値は、減価償却をすることで、年々目減りしていくものだ。新築のマイホームや新車と同じである。ところが、TDRの資産価値は、ダウンしては再び上昇という繰り返しである。毎年数百億円規模で施設をリニューアルし、数年ごとに大型の新規投資を重ねているからだ。

 「新規投資→資産価値の維持・上昇→リピーターの拡大」という循環が、オリエンタルランドの生命線である。

 21年4月には本格的な屋内シアター「ファンタジーランド・フォレストシアター」を開業。2,500億円を投じて大規模なスペース拡張に取り組み、テーマパーク・ホテル「ファンタジースプリングス」の開業も予定している。

 厳しい経営環境下でも投資を続けるのか。従業員年収だけでなく資産価値の推移についても、注目しておきたい。


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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