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企業の倒産、後継者難の要因は代表者死亡が約5割 一方で後継候補は「親族」と「親族以外」が半々

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2021/10/30 12:00

 東京商工リサーチは、1月から8月までに発生した人手不足関連倒産(後継者難・求人難・従業員退職・人件費高騰)から、後継者難倒産(負債1,000万円以上)を抽出・分析し、その結果を9月8日に発表した。

 8月までに発生した後継者難の倒産件数は236件で、前年同期の244件より8件減少(3.2%減)した。しかし、倒産全体3,986件に占める構成比は5.9%で、前年同期の4.4%を1.5ポイント上回り、調査を開始した2013年以降で最高を記録した。

 後継者難倒産の要因で最も多かったのが代表者などの「死亡」の128件(構成比54.23%)で、2年連続で100件を超えて、2013年以降で最多件数を更新した。そのほかでは、「体調不良」が67件(同28.38%)、「高齢」が23件(同9.74%)などとなった。産業別では「サービス業他」が51件(同21.61%)、「建設業」が45件(同19.06%)、「製造業」が42件(同17.79%)で多かった。

 なお、負債額別では「1億円未満」が163件で69.0%を占めたものの、「1億円以上5億円未満」が前年の54から63件に、「5億円以上10億円未満」が同5件から7件に増加している。こうした状況を踏まえて同社は、業績回復が遅れている企業ほど後継者育成は先送りされており、小・零細企業だけでなく、中堅規模でも事業承継の問題が顕在化しつつあると見ている。

 一方、中小企業向け事業保険のエヌエヌ生命は、全国の男性の中小企業経営者・役員(企業規模は従業員数5人以上300人未満・既婚、子ども有り)515名を対象に「事業承継に関する意識調査」を実施し、その結果を10月18日に発表した。調査期間は9月17日から18日。

 自身の会社に、家族や親族が役員・会社員・アルバイトとして働いているか聞くと、53.0%が「関与している」と回答した。家族・親族が関与していると回答した273名にその続柄を聞くと、「配偶者」が68.1%で最も多く、以下は「子ども」(33.0%)、「親」(26.0%)、「兄弟姉妹」(13.2%)などが続いた。

 続いて、経営の継続が難しくなった場合、誰が次の法人代表者を務めるか聞くと、「家族・親族以外の役員・会社従業員」が45.4%を占めた。他方、「家族・親族」と答えたのは48.9%で、その内訳は「配偶者」が21.9%、「子ども」が16.3%、「兄弟姉妹」が4.9%などとなった。

 また、次の法人代表者に「家族・親族以外」と回答した263名に、借入金や売上など会社経営のネガティブな局面についても説明し、就任の了承を得たか聞くと、61.2%が「了承を得ていない」と回答した。

 中小・零細企業の後継者問題が懸念される中、後継候補と具体的な話し合いができていないケースも少なくないようだ。

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