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【エンタメ潮流コラム】
2007年の市場回顧、そして日本のゲーム業界の将来

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世界的に進む業界再編

 こうした日本企業の「質的変化」に対応する時間は多くは残されていない可能性がある。それは、日本ではゲーム業界再編は一段落しつつあると考えられるが、欧米においては、業界再編は加速しつつある状況で、日本メーカーもこうした世界的な業界再編に巻き込まれる可能性が高いからだ。特に、業績が低迷し、株価が下落すれば、その可能性は高まる。

 これまでは、パブリッシャーによる開発スタジオの囲い込みが世界のゲーム業界再編の大きな方向性であった。例えば、Activisionの「Guitar Hero」シリーズの成功は2006 年にRed Octane を買収したことが一つの大きな要因だろう。

 また、EA もゲーム開発企業であるBioWare とPandemic Studios の両社の親会社であるVG Holdings を未公開株投資会社であるElevation Partners から買収することで合意したと発表した。

 さらに、フランスのUBISoft は、日本のゲーム開発会社デジタルキッズを買収する予定。デジタルキッズは1996 年創業で大阪と名古屋に拠点があり、開発者は20 人程度。DS 向け「Love ラブハムスター」等を開発、UBI は同社が開発した「Hamsterz Life」を含む「Petz」シリーズ等の成功を踏まえ、買収に踏み切ったものと推測される。海外メーカーはマーケティング力を支えに、開発スタジオを買収することで、業績の拡大を図る戦略が加速している。

そして日本のサードパーティ

 また、2007年12月には、Vivendi GamesとActivisionは合併を発表した。新会社はActivision Blizzardとなる見込みで、現在の世界最大のゲームソフト企業であるElectronic Artsを抜き、売上高でトップとなる見通しだ。世界的なゲームソフト企業のM&Aは有力パブリッシャーが開発スタジオを囲い込む戦略だけではなく、有力パブリッシャー同士がさらに規模を追求して、そこにハリウッドも絡んだ再編となる見込みであり、従来の業界再編の局面が一歩進んだといえよう。

 日本のサードパーティについては、その株主構成は安定株主の割合が多いことから、敵対的M&Aは成功しづらいと考えられる。しかし、日本のサードパーティが主戦場である国内において結果が出せず、株価が低迷し続けることがあるならば、こうした世界的な業界再編の波に飲み込まれる可能性もあろう。

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