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中国政府の“不安”をネタに金儲けするヘッジファンド

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2007/10/29 12:45

 マンハッタンに本社を構える「ゲリラ・キャピタル」や「華米21世紀」、シカゴの「シタデル」やテキサスの「ピナクル」など、アメリカのヘッジファンドが相次いで中国の市民監視ビジネスに参入している。シタデルは中国のセキュリティ大手50社のうち、既に10社を買収した。ここには民主国家を標榜するアメリカの金融機関が中国政府による民主主義の弾圧に手を貸すという皮肉な構図が見て取れる。

 5年に1度開かれる中国の共産党大会。直近の第17回大会は10月15日から1週間の日程で北京の人民大会堂で開催された。急激な経済成長のひずみといわれる、貧富の格差が広がる中国。

 特に農村部の疲弊ぶりが深刻だ。現金収入は売血だけ、という悲惨な現状が報道されている。今回の党大会でも3農問題 (農業・農村・農民) や地域間格差、大気や水の汚染など環境問題が大きな課題となった。

 工場誘致を優先する党の幹部によって農地を強制収用された農民たち。工場の廃液で農地を汚染され、収入の道も家族の健康も奪われた地方の農民たちの怒りは「拝金主義が蔓延し、農民を見捨て始めた共産党」へ向けられている。彼らは北京の中央政府に窮状を訴えるため、党大会を目指して続々と押し寄せてきた。

引く手あまたのボディーガード

 このような国内の不平、不満分子によるデモや過激な行動を押さえるため、胡錦濤政権は市内の要所要所に治安警察を配置し、不測の事態に備えた。そして彼らの監視活動を支えるのが、アメリカのヘッジファンド・マネーによってもたらされた住民監視システムである。現在、中国では北京をはじめ主要660都市のあらゆる街角に24時間の監視カメラが設置されつつある。住民の無届デモや不穏な動きを素早く察知し、機動部隊を投入するためである。

 また、最近大流行のインターネットカフェのアクセス状態を監視する動きも強化されてきた。表向きはポルノや売春を取り締まるのが目的というが、実際には民主活動家や法輪功など、中国政府にとって目障りな存在の通信を監視し、活動家を押さえ込むのが狙いと思われる。その外にも、中国のセキュリティ会社はVIPの身辺警備にも本格的に参入し始めた。

 日本以上に大富豪が誕生している中国では、このところ毎年、資産家やその家族が誘拐される事件が急増している。昨年だけで4,000人が誘拐され、身代金の平均は1億円を超えた。土地成金や映画俳優、IT長者やスポーツ選手が狙われることが多い。報道管制が敷かれているが、外国企業の駐在員や経営トップもターゲットになっているという。彼らは身の安全を確保するため高額を用意し、ボディーガードを雇うようになった。

 そのため、治安警察や人民解放軍の特殊部隊OBは引く手あまた。月給50万円に住まいと食事が付くのが標準の待遇。北京、上海を中心にフルタイムのボディーガードは40万人を数える。それでも海外から中国を訪れるVIPが多いため、数が足らない。


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