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中国政府の“不安”をネタに金儲けするヘッジファンド

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2007/10/29 12:45

アメリカの投資ファンドに30億ドル

 2007年9月に発足した中国の国富ファンド「CIC」は2000億ドルの原資でスタート。海外の石油や食糧資源などコモディティへの投資や中国企業の海外事業への支援を主な業務と位置付けている。とはいえ、中国のファンドマネージャーもまだまだ経験不足。

 そこで、アメリカのヘッジファンドに資金を提供することで、確実に利益を確保し、同時にその投資ノウハウを吸収し、将来的には完全な自前のファンドへ仕上げる計画と思われる。万が一、計画通りに事が運ばなくとも、潤沢は資金力を駆使すれば、狙った外国のヘッジファンドの買収は朝飯前である。CICでは早々にアメリカの投資ファンド「ブラックストーン」に対し30億ドルの投資を決めた。

ドル対人民元、新たな「通貨バトルロワイアル」の幕開け

 見方にもよるが、外国のファンドを隠れ蓑にすれば、「中国脅威論」が台頭するなか、投資活動がスムースに展開できる可能性が高くなるだろう。ハッカーが良く使う踏み台の論理と同じである。いずれにせよ、中国政府が手にした世界最大の外貨準備高はアメリカのヘッジファンドを吸い寄せる「甘い蜜の香り」を撒き散らしていることは疑う余地がない。

 しかし、中国の国富ファンドがアメリカのヘッジファンドのノウハウをマスターした時、投機マネーの世界では主役交替劇が演じられるはずだ。言い換えれば、ドル対人民元という、新たな“通貨バトルロワイアル”の幕開けは近い。中国製のペットフードに端を発した食材や玩具、タイヤ、医薬品、衣料品など「メイド・イン・チャイナ」の安全性をめぐるアメリカからの問題提起や消費者による「チャイナ・フリー運動」は、危機感を覚えたアメリカ政府による前哨戦といえよう。(次回へつづく)

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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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