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中国株が今、下落している理由

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2008/03/14 10:00

 中国株が調整局面に入っている。だがサブプライム問題の中国経済へ及ぼす影響や金融引き締めは昨年から言われていたことであり、中国のファンダメンタルズに大きな変化が見られた訳ではない。昨年までのような2ケタのGDP成長率の達成は難しいが、高い経済成長は今後も続くと多くの調査機関が予想している。

中国株、今回の下落が大幅な暴落の始まり?

 07年11月以降、香港市場は調整色を強めている。昨年10月30日に31958.41ポイントまで付けたハンセン指数は今年1月22日に21709.63ポイントまで下げ、下落率は3割を超えた。その後の株価も一進一退を続け、ハンセン指数で24000ポイント前後の動きとなっている。

 また、本土市場も昨年10月16日に上海総合指数で6124.044ポイントのピークを付けた後は下落し、今年2月26日には4123.305ポイントまで下げた。昨年10月まで、圧倒的なパフォーマンスを誇った中国株が一変している。

 しかし、元々07年の株式市場の動き自体が異常であった。昨年1年間のパフォーマンスをBRICsで比較した場合、ブラジルのボベスパ指数、ムンバイのSENSEX指数で50%弱の上昇、ロシアRTS($)指数で30%程度の上昇であったが、上海総合指数は90%以上の大幅な上げとなり、10月には年初来で120%以上の上昇となる場面もあった。

 現在、中国株に投資している人は今回の下落が大幅な暴落の始まりではないかと不安に思っているだろう。実際に経済面でも昨年後半からの物価上昇には歯止めが掛かっておらず、1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.1%上昇し、約11年ぶりの高い水準となった。

高い経済成長は今後も続く

 さらに、1月末から中国中南部を襲った記録的な寒波の影響で2月以降の物価上昇も懸念される。一部の製品では中国政府による価格統制が行われているが、物価上昇を完全に封じ込めることは難しい。また、金融機関の貸出残高(外貨建てを含む)も08年1月末で前年同月末比17.5%増加しており、過剰投資による物価の高騰や景気の過熱も心配される。そのため、国家発展改革委員会の李朴民スポークスマンが語るように、今回の寒波によって中国政府がマクロ経済調整を変更することはなく、金融引き締めは継続されよう。

 さらに、国内景気だけではなく、海外市場の動向も気にかかる。昨年は中国経済や株式と海外市場との「デカップリング(非連動性)」が叫ばれたが、米国のリセッションが深刻化するに伴い、その「リカップリング(再連動性)」が問題となっている。実際、中国の1月貿易収支は195億米ドルと昨年5月以来の200億米ドル割れとなり、今後も、米国での景気後退による個人消費の低迷が中国の輸出に影響を与えるだろう。

 だが、このような状況は昨年からある程度予想されていた。さすがに1月から2月の記録的な大寒波を予想していた人はいないだろうが、サブプライム問題の中国経済へ及ぼす影響や金融引き締めは昨年から言われていたことであり、中国のファンダメンタルズに大きな変化が見られた訳ではない。

 昨年までのような2ケタのGDP成長率の達成は難しいが、高い経済成長は今後も続くと多くの調査機関が予想しており、当社でもそのように見ている。中国経済の失速があるとしても、もう少し先の話だろう。

中国株が大幅調整した理由

 では、なぜ今回のような大幅な調整に中国株は陥ったのだろうか。


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著者プロフィール

  • 有井 誠(アリイ マコト)

    内藤証券 中国部 アナリスト。社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員。学生時代から、中国、タイ、インド、ベトナム、ラオス等、東南アジアを中心に長期の旅行を繰り返す。今までに訪れた国は10カ国以上。現地で民家に泊めてもらうことも多くあり、観光地では見ることの出来ない一般庶民の生活を肌で感じた。今、当時の貴重な経験が役立ち、また、懐かしくも思う。現在、内藤証券中国部アナリストとしてレポート等を作成。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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