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マネー診断Vol.10
「38歳、未婚。老後の資産運用を考えています…」

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2008/04/23 09:00

「老後の資金はいくら必要なんだろうか?」「家を買いたいが、ローンを返していけるだろうか?」などあなたは資産運用で悩んではいませんか? もし不安があるなら、FPなど専門家に相談してみると答えが見つかるかもしれません。このコーナーに投稿してきた読者のように…。(バックナンバーはこちら)

今回マネー相談に来たのは…

マネー診断開始!

 鮫島さんは38歳。東京都内では30代後半の独身女性はちっとも珍しくありませんし、初婚年齢がどんどん上がっている昨今、今後人生のパートナーに出会う可能性は充分あるかと思います。

 とはいえ、人生のパートナーは「経済的に頼るパートナー」とイコールとは限りませんし、すでに結婚されている方も含めて女性も自立することが、今後求められてくると思います(人生何が起こるかわかりませんので…)。

 30代のうちから老後までを見通した資産形成を考えることは大変意義があります。というのも資産運用は長期で考えれば考えるほど、有利に働くものだからです。

 例えばすでにお持ちの貯蓄1000万円を今後運用していく場合を例に考えてみましょう。
 現在38歳の鮫島さんが65歳(公的年金受給年齢)になるまでの27年間運用するものとします。

1. 単利5%で27年間運用
2. 複利5%で27年間運用
3. 複利1%で27年間運用
4. 複利5%で15年間運用

 単利というのは常に当初の元本に対してのリターンが得られるタイプの運用です。複利というのは当初元本に次々とリターンが組み入れられ、つまり元本そのものが成長して、年々大きくなっていくタイプの運用です。

複利は少しでも高く、そして長期に運用するのが効果大

 下のグラフをご覧ください。

 まず、同じ5%の運用ですが、「1.」の単利と「2.」の複利では、時間が経つにつれて大きな差になってきています。27年間の1000万円の運用の結果、複利運用(3,733万円)は単利運用(2,350万円)の約1.6倍という大差なのです。

 複利が効果的であることはおわかりいただけたと思いますが、たとえ複利でも「3.」の1%の複利(1,308万円)では単利の5%にも全く追いつかないことがわかります。

 また、もし鮫島さんが将来のために運用をしようと思い立ったのが、38歳ではなく50歳であったと仮定してみましょう。今と同じ保有資産1000万円で、運用期間が15年間だとします。

 グラフをご覧ください。5%で複利運用しても65歳のときには、27年間5%で複利運用した場合より1600万円以上少ない2079万円にしかなりません。

 つまり「お金を効率的に殖やす」ことに主眼を置いたときに大切なポイントは、

・平均利回りは少しでも高く
・複利運用
・なるべく長期運用

ということになります。
 ご質問の「どのような運用が効果的か」というのは、もちろん上記3つをベースに考えていくことが良いですね。

資産を分散して投資する

「平均利回りを少しでも高く」と言ったとき、実は重要なのは「平均利回り」の部分なのです。
 ある年は20%プラスだけど、翌年は30%マイナスで…といった値動きの激しい運用では複利効果を活かすことはできません。確実性、安全性を高め、(値動きの)リスクをなるべく抑え平均値を上げていくことが大切なのです。

 そのためにはどうすべき?
 もう聞き飽きてしまったかもしれませんが、基本中の基本、かつ最も効果的なのは資産を分散して投資することです。さまざまな資産( 国内外な株式や債券など)に投資することによって全体が同時に目減りすることを避け、安定性を増してくるのです( もちろん値動きのある金融商品に投資するのですから、資産が目減りする可能性は必ずあります )。

 1つの金融商品に一か八かで大金を投入することはギャンブルです。
 また、金融の世界で「旨い話」なんてありません。
 かといって地道にコツコツと預貯金だけしていても低金利の世の中、お金は殖えてはくれません。

 お金を殖やすにはリスクをとらなければなりませんが、リスクは分散すればある程度は抑えられることを、ぜひ意識して投資をしてくださいね。

不動産は、投資すべきか否か

 マンションを購入して賃貸に回す、というのは確かに魅力的な宣伝文句は世にあふれていますよね。でも手持ち資金を全額マンション購入にあてれば、それは上記の注意点の一つ、一つの運用に集中させてしまっていることになりますよね。

 不動産は現物を保有すると、メンテナンス・コスト、税金等かかりますし、空室リスクなどもあります。また、そもそも不動産市場は流動性があまりありませんし、不動産市況に左右される形となります。

 たくさんの資産のうち、いくらかを不動産の現物投資に回すのは分散投資の一つになりますが、手持ち資金を全部使っていくことはリスクが大きすぎると思いますよ。

 ただ、不動産は株式や債券市場とは異なる値動きをする傾向もありますので、保有することで分散投資の効果を高めることができるのも事実です。

 そこで不動産( オフィスビルやテナント、居住物件などいろいろな種類があります )を小口証券化し、上場しているREITという金融商品であれば、手軽に小額から購入できますし、不動産投資をしていることにもなります。ただしもちろん不動産市場の値動きというリスクはありますのでご注意ください。

 国内外の株式や債券に加えてREITにも投資することで、効果的な分散投資ができると同時に「小さな大家さん」にもなれますので、ご検討してはいかがでしょうか?

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著者プロフィール

  • 廣澤知子(ヒロサワ トモコ)

    マネックス証券株式会社 シニア・フィナンシャル・アドバイザー
    慶應義塾大学経済学部卒。大学卒業後、シティバンク、N.A.東京支店に入行。国際金融本部にてエマージング・マーケット、金融法人向けの外国為替のセールスなどに従事。退社後CFP®資格を取得。独立系FP会社でFPとしてセミナー講師などの活動後、2005年マネックス・ユニバーシティの設立に参画。2008年マネックス証券株式会社に転籍。セミナー講師や執筆活動のほかメディアにも多数登場。
    ファイナンシャル・プランナ-(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(社)日本証券アナリスト協会検定会員。
    近著『金利をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)は韓国でも翻訳出版。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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