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投資詐欺の実態 Vol.7「なぜ、騙された被害者は泣き寝入りするのか」

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2008/03/22 09:30

 詐欺師によって騙されたおよそ90%近い被害者は泣き寝入りするという事実がある。なぜ、こうも泣き寝入りする者が多いのだろうか。( バックナンバーはこちらから )

チェコスロヴァキア生まれの詐欺師

 ヴィクトール・ルースティヒという詐欺師をご存じだろうか。
 ルースティヒは、ヨーロッパが生み出した詐欺師の中で、最も大胆不敵な詐欺を行った人物と言っても良いだろう。

 ルースティヒは、1890年チェコスロヴァキア生まれ。人当たりは柔らかく、洗練された人柄で、数カ国語を自在に操ることができた。

 1925年のこと、パリに滞在していたルースティヒが新聞を読んでいると、ある記事が目にとまった。その記事には、
「エッフェル塔がパリ万博のために一時的に建築されたが、その維持費や老朽化の問題で政府が大変困惑している」
と記載されていた。

 その記事を目にしたルースティヒの脳裏である閃きが起きた。「これだ!」 と呟き、即座に政府作成の書類の偽造に着手した。

 ルースティヒは、完成した偽造書類を数社の解体業者に郵送した。ルースティヒは、上手く話を作ることができれば、エッフェル塔を解体しその鉄くずを売却するという一大プロジェクトをでっち上げることができると考えたのである。

 新聞記事の記載とルースティヒが偽造した書面の信用性が相俟って、数社の解体業者が解体業を行いたいと名乗りを上げた。ルースティヒは、この数社の業者を秘密裏に高級ホテルに集めさせた。

 ホテルの一室でルースティヒは解体業者に対し、
「政府はエッフェル塔の解体業を希望している。解体作業は巨大プロジェクトとなり、解体後に残った鉄くず7000トンの売却も解体業者に行ってもらう予定だ。また、解体業者に選定されれば、当然のことながら非常に名誉なこととなろう」
と説明した。その上で、解体業者を選定するために、後日入札を行うと宣言した。

 その会議に参加した業者の1社である「ポワソン」という会社は、何としてでもエッフェル塔の解体プロジェクトを受注したいと考えた。そこで、ポワソンはルースティヒに高額の賄賂を渡し、入札に際して落札できるように有利な取り計らいをしてもらうようお願いしたのである。(次ページへ続く)


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