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【エンタメ潮流コラム】
企業の中期経営計画、どう分析すべきか (後編)

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 4月は、3月決算の企業の決算が発表される時期だ。投資判断においては、中期経営計画が発表されたときは、その妥当性を見極めることが重要となるが、ではどのように分析すべきなのだろうか。今回は前編につづく後編です。

中期経営計画を評価する点で重要なポイント

 前編で述べたように、中期経営計画の存在意義は、目標数値ではなくて、そこに至る考え方や方向性を明確にして、自社を再定義することにある。

 また、中期経営計画において、現状の自社の強みがさらに強くなることが投資家だけではなく、社員や取引先、消費者等の各関係者にとってもメリットになるようにすることが重要だ。後編ではこうしたことを前提として、さらに、中期経営計画を評価する点で重要なポイントを考えてみたい。

コミットメントはどう受け止めればよいのか

 中期経営計画の発表の場において、目標数値を「コミットメントする」と述べる経営者がいる。確かに、その「意気込み」としては評価できるかもしれない。ただし、コミットメントを単に善処するという意味で使っているならばまだしも、言葉にしてより強い約束として述べることには疑問の余地があろう。

 なぜなら、中期経営計画の意義は目標数値そのものにあるわけではないと考えられるからだ。すなわち、「 目標-現状=課題 」という方程式の中で、コミットメントするというのは課題がほとんどゼロというに等しいのではないだろうか。そうであれば、3-5年後ではなく今期中にもその目標は達成されてもおかしくないものであり、中期的な目標とはなりえないのではないだろうか。

 そもそも外部環境も3~5年後には激変する可能性があろう。例えば、3年前にサブプライム問題で1ドル=100円を割り込むと予見できた人は少ないと思われる。社会全体の変化が激しいといわれている中で、コミットメントするには勇気が必要なことではないだろうか。

 もっとも、外部環境がその会社にとってネガティブに激変したとしても、それを打ち破るだけの付加価値を創出できるならば、コミットメントは可能かもしれないが、その確率は低いだろう。そして、中期経営計画が達成されなかった時のエキスキューズ(言い訳)としては、「 当時とは外部環境が異なっている 」と述べることが多い。

 また、コミットメントされた目標が達成できなかったとしても、その結果として経営陣が辞任することはあまりないのが現実だ。投資家からすれば、「 コミットメント」は 「善処 」という意味で捉えた方がよいだろう。

企業のグローバル展開をどう評価するか

 中期経営計画において、海外展開を成長のけん引役と位置付ける戦略は多い。ある企業が日本の市場においてはシェアが10%で海外展開をしていない場合、海外の市場規模は国内の2倍であり、その半分のシェアを確保すれば、売上高は2倍となる「計算」は成立するだろう。

 したがって、海外展開が成長のけん引役とする戦略は一見すると、論理的に思われる。特に、人口が減少すると予想される日本での経済環境は楽観的にはなれないだろう。

 そこで、「海外へ 」ということになるのだが、実はこれがそれほど楽観的にはなりづらい。


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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