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急落時にテクニカル分析は機能するのか 相場で負ける確率を減らす指標の使い方

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2008/04/08 10:00

 日経平均が1万1,000円台をつけた先月、「テクニカル・チャート分析ではそろそろ下げ止まってもおかしくはないのですが…」そう苦しそうに答えるアナリストをよく見かけました。「なぜ株価は下げ止まらないのか?」そういった解説・分析をさまざまなメディアが論じていましたが…。

株価は「事実」で下がるのではない

 先週、日経平均は1万3,000円台の大台を回復!1万3,000円台が大台とは、半年前の水準を考えれば、あまりにも寂しい大台ですが、先月、1万1,000円台を経験してしまったので、1万3,000円を大台と考えても無理のないところです。

 下げ一服感(底入れ感)のある現在、「あんな下げ、もう思い出したくない!」という方も多いと思いますが、後学のためにも「株価はなぜ下がるのか(なぜ下がったのか)」を振り返り、考えてみましょう。

 先月は、某掲示板でも、「なぜ下げたんだ!」「こんなに下げるのはおかしい!」と、悲鳴にも似た書き込みが多々見受けられました。そして、日々さまざまな悪材料が報道され、証券各社からは「もっともらしい株価下落の要因」が解説されていました。

 サブプライム・ローン懸念、モノライン懸念、米国・世界経済の先行き警戒感、不十分な金融当局の対応により市場は先行き不透明感蔓延、ヘッジファンドの破綻懸念、ドル安(円高)進行懸念、などなど、下げの要因とされたものは、数え上げればきりがありません。

 しかし、パッと見て気がつかれると思うのですが、どれを見てもほとんどが「懸念」や「警戒感」だったのです。現時点での事実で下げているのではなく、先行き(未来)への懸念、警戒、不透明感で下げるのが株式市場の特性です。

 相場格言では「知ったらしまい」といわれます。好材料でも悪材料でも、株価はすでに(将来起こりえる)材料を織り込んでいるのだから、正式に報道がなされたら(現実を受けたら)、いったん手仕舞うのがいいという意味です。

 しかし、悪材料が報道され「知った」にも関わらず、株価は下げ止まらず、先月日経平均は11,000台を経験しました。なぜ下げ止まらなかったのでしょう?

相場はいい加減なもの

 知ったにも関わらず、下げ止まらなかった。それはセンチメントによるものが大きかったことが一因でしょう。

 懸念、警戒感、不透明感とはセンチメントです。これらで株価が下がるということは、「センチメントで下がる」とも言い換えられます。「センチメントで下がる=気分で下げる」と言っても差支えはないでしょう。長期的にはともかく、日々の株価の値動きは気分次第。株価乱高下となった時は、気分が激しい(乱れている)ということです。株価(指数)の目先的な動きを予測することは不可能に近いといわれているのはこのためです。

 昨年から株価指数急落の要因とされ、たびたび市場を賑わす、ヘッジファンドのクローズの動き(資金引き揚げ)などにしても、センチメントによる部分は大きいと思われます。「もうダメだ」と資金を引き揚げるわけですから(笑)。「株価(相場)とは、気分で動くような、そんないい加減なモノなのか?」と思われる方も多いと思いますが、残念ながら「そんなもの」でしょう。

 第1回の記事にも書きましたが、投資はギャンブルではなくとも、ギャンブル「性」はあります。「私は、企業価値を測定し投資をしているのだ! センチメント気分次第のようなギャンブル投資とは違う!」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが…。

 評価対象会社と事業内容等が類似する複数の上場会社の企業価値を測定する、マルチプル方式(PER、PBR、EBITDAなど)にしても、将来の数値をもとに算出されます。将来の数値とはセンチメント(気分・感情)やコンフィデンス(信用・信頼)による予測値です。確実なものではないのです。


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著者プロフィール

  • Heyward(ヘイワード)

    本業絶不調のため、やむなく相場で食っている一個人投資家。
    「勝たなくてもいい・負けなければ。負けても負けの金額を限定すること!」をテーゼに先物相場で日々奮闘中。
    楽観的・魅力的な先物相場の見方は証券会社にお任せして、私からは先物の恐ろしさ、個人投資家が陥りやすい相場に潜む罠、相場に起こる事象の見方・解釈、相場に挑む際の心の持ちよう等々を、個人投資家ならではの、しがらみのない立場で、皆様にお伝えできればと思います。
    日々の相場概観、ザラ場リアルタイム情報はブログ「株と先物の勉強会」にて更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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